本日の日本時間23時にユーロ圏10月消費者信頼感・速報値の発表が予定されているが、欧州タイムではユーロの動意につながりそうな指標や注目イベントは乏しくい。相場全体として、米政府機関の一部閉鎖が続く中で年金算出の必要性から明日に例外的に発表される9月米消費者物価指数(CPI)に向けられ、積極的な取引は手控えられる可能性はあるが、市場の米中摩擦への懸念が続いている中で関連のヘッドラインに注目。
米中関係に注目が集まっているが、一部では欧州連合(EU)も中国のレアアース(希土類)の輸出規制強化をめぐり、外交的解決に至らなかった場合に備えて対抗措置の導入を検討していると伝わっている。中国のレアアースの輸出規制強化は、欧州の産業と安全保障にも重大な脅威をもたらすことでEUは対策に頭を悩ませている。シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)が21日に中国の王文涛商務相と協議したが、EUの懸念を解消する合意には至らなかった。この問題は本日、ブリュッセルで開催されるEU首脳会議で取り上げられる可能性がある。
ユーロは対ポンドでの動きにも注目。昨日に9月英CPIが予想比下振れたことを受けてイングランド銀行(英中銀、BOE)による年内利下げ思惑が再燃した。一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクルに一服感が高まっており、ユーロポンドでユーロ買い・ポンド売り圧力が高まっている。最近のユーロポンドは0.86ポンド台で底堅さを示すも、引き続き0.87ポンド台では伸び悩んでいる。ユーロポンドは7月に0.8769ポンド、8月0.8744ポンド、9月に0.8751ポンド、10月にこれまで0.8745ポンドを頭に上値を抑えられており、2023年5月以来の0.88ポンド台復帰がお預けとなっている。英財政懸念もポンドの重しとなっている中、ユーロポンドが上方向への地合いを強められるかどうかに注目したい。
・想定レンジ上限
ユーロドルは日足一目均衡表・雲の上限1.1656ドルや17日高値1.1728ドル。
ユーロ円は10日高値177.16円。
ユーロポンドは6日高値0.8745ポンド。
・想定レンジ下限
ユーロドルは14日安値1.1543ドル。
ユーロ円は21日移動平均線175.40円。
ユーロポンドは日足一目・雲の下限0.8660ポンド。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
