本日のロンドン為替市場でも、円相場では週明けから一気に強まった高市トレード(為替は円売り)の勢いを見定めながら値動き。混迷を深める仏政局は、マクロン大統領の首相指名を待つことになる。金融当局者の講演は、仏やスペインの中銀総裁、また英国からはマン金融政策委員会(MPC)委員が予定されている。ほか、日本時間20時半に欧州中央銀行(ECB)理事会の9月議事要旨が公表予定。
日本の政局では、政治改革を巡る自民党と公明党の連立協議が難航しているもよう。そのため、首相指名選挙が行われる臨時国会の召集は、当初の15日から21日付近に先伸ばされる見通し。一部では、高市首相の誕生が不透明になったとの見方も浮上してきた。また高市氏が首相に選出されたとしても、掲げた政策の実効性が弱まるおそれもある。その場合は、高市トレードの巻き戻しに注意が必要だろう。
仏大統領府は昨日、48時間以内にマクロン大統領が新首相を指名すると発表。一部報道によれば過半数の議員の反対で、内閣総辞職にともなう解散・総選挙の可能性は下がったもよう。もっとも、新首相が野党の支持を得られるとは限らず、政局の先行きは不透明なまだ。また予算案提出の遅れから、政策遂行の遅れに対する懸念は高まっている。これだけ見ると、ユーロの上値は追いづらいだろう。
ビルロワドガロー仏中銀総裁やエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演では、市場がECB緩和サイクルの最終局面と見ている中でも、利下げについて言及してくるかに注目。両総裁は、ハト派側と見られることが多い。ECB理事会議事要旨では、これまでラガルECB総裁ら多数の高官の発言が理事会後に伝わっており、よほど極端な意見が見当たらない限り、相場へのインパクトは小さいか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1689ドルを超えると21日移動平均線1.1735ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月27日安値1.1574ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
