本日のロンドン為替市場でも、日本やフランスの政局を睨みながらの値動きとなりそうだ。高市トレード(株買い、円売り、超長期債売り)がどの段階まで進むのか、またフランスでは早々に内閣が総辞職し、政局混乱が金融市場に与える影響を見極めたい。経済指標は8月独製造業新規受注や同月仏貿易・経常収支が発表される程度。欧州夕刻には、ナーゲル独連銀総裁とラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が予定されている。
高市自民党総裁の誕生後、2営業日目となる本日も、日本株買い、超長期債売り(金利は上昇)、円売りが先行。そういった中で高市総裁は、自民党の重要人事を発表した。新政権の今後の方向性を示す1つであり、少数与党で政策調整が必要となるため、野党の反応が気になるところだ。来週の臨時国会で首相指名、その後の組閣を待つ必要があるものの、市場が失望するようであれば、深めの調整があるかもしれない。
フランスでは昨日、ルコルニュ内閣が組閣から1日で総辞職した。今回の首相辞任で、マクロン大統領が過去2年間に任命した首相交代は5人目となる。内閣解体で、13日の予算提出期限に間に合わない可能性が高く、来年1月の政府機関閉鎖を避けるには、緊急対応が求められる見込み。金融市場も、仏株や債券売りで反応した。
ユーロは対ドルで下げ渋り、対円でも買いが優勢だったが、対ポンドやフランでは上値の重い展開だ。仏政局次第では今後、対ドルや円も下値を模索する場面があるかもしれない。仏国会では与野党協議が8日まで行われるとされ、9日にマクロン大統領が何らかの判断を下すもよう。野党は議会解散と総選挙を要求している。
なお昨日は、ラガルドECB総裁の発言「ユーロ圏のインフレ率は目標付近で推移する見通しで、来年には景気が持ち直す」が伝わったものの、相場の反応は小さかった。そのため、本日の同総裁や独連銀総裁の講演も、よほど極端な見解が示されない限りは材料視されないだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、1日高値1.1779ドル
・ユーロ円、177.99円(9月29日から10月2日まで下落した幅の上方倍返し)
想定レンジ下限
・ユーロドル、9月3日安値1.1608ドル
・ユーロ円、ピボット・サポート1の174.58円
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
