本日のニューヨーク為替市場では、ドル円は前週末の自民党総裁選を受けて急浮上した「高市トレード」に対する反応を見極めながらの取引となるか。
前週末の自民党総裁選では、小泉氏優勢の事前予想を覆す形で、高市氏が勝利をおさめた。それにより財政拡張的な政策がとられるとの見方から、週明けは大幅な円安・株高が進行し、ドル円は東京時間に2カ月超ぶり高値となる150.40円台まで上昇した。また本日、総裁選の結果を受け、ドイツ銀行やゴールドン・サックスが、これまで推奨していた円ロングの中止を発表している。海外勢が高市新政権に対する期待を先行させるようならば、円売りが活発化する展開もあり得る。
また、仏政局についても注意が必要だろう。ルコルニュ仏首相の辞任が伝わり、政局の混乱が続いている。これを受けて仏の代表的な株価指数CAC40は辞任公表後に2%超下落する場面が見られるなど、NY市場でも材料視される場合はユーロ売りの影響でドルが押し上げられる展開もあるだろう。
経済イベントでは、NY午後にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁やベイリー英中銀(BOE)総裁、NY終盤にシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の発言機会が予定されている。金融政策に関する発言があれば材料視される可能性がある。
そのほか引き続き、米政府機関の一部閉鎖の原因となっている、つなぎ予算を巡る上院での交渉の行方も気になるところ。現状は手詰まり感が強いものの、関連報道には目を配っておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円、3月28日高値151.21円。
想定レンジ下限
・ドル円、9月3日高値149.14円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
