26日の香港市場は、前日の米株式相場が下落した流れを引き継ぎ続落して始まるか。25日発表の米経済指標が景気の底堅さを示し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測がやや後退した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が算出するフェドウオッチ・ツールの10月利下げ確率は前日の92%から88%に低下している。米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことで、米ドル安を背景とする資金流入が期待しにくくなるとの見方から売りが出そうだ。
ただ、売り一巡後はハンセン指数が底堅く推移する展開があり得る。FRBが物価動向を分析する際に重視する米個人消費支出(PCE)デフレーターの8月分の発表を香港時間きょう夜に控え、結果を確認したいとして次第に様子見ムードが広がるだろう。
25日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって3日続落となった。足元の人工知能(AI)ラリーをけん引したオラクルが5.55%安と大幅に続落し、テスラも4.38%安となったことでハイテク・グロース株を中心に下落した。同日発表の米経済指標は、新規失業保険申請件数が21.8万件と前回分の23.2万件から減少し、予想の23.5万件を大きく下回る強い結果となった。4-6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値も前期比年率3.8%増と、改定値(3.3%増)から上方修正された。
同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国ネット通販大手のアリババ集団(09988)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(00003)、中国本土系金融株の中国建設銀行(00939)、中国銀行(03988)、中国平安保険(02318)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(00005)が上回って終えた。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
