本日のロンドン為替市場では、ユーロ圏の経済指標や要人発言を確認しつつ、スイス国立銀行(SNB)の政策金利発表に注目することになろう。
欧州序盤には10月独Gfk消費者信頼感調査や9月仏消費者信頼感指数が発表される。通常は単体では相場を動かしづらい指標ではあるものの、昨日の9月独Ifo企業景況感指数が予想外の悪化となった直後でもあり、念のため気を付けたい。そのほか、欧州中銀(ECB)内でタカ派と目される、カジミール・スロバキア中銀総裁の講演も予定されている。
NY序盤からは、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁を始めとして、FRB高官の発言機会が相次いで予定されている。昨日は米追加利下げ期待の後退などを背景に米長期金利が上昇してドルが買われ、ユーロドルを下押した。米長期金利の動向にも、引き続き注目したい。
さて、本日はSNBの政策金利発表が予定されている。スイスフラン相場が安定していることなどから、今回は金利据え置き(0.00%)予想がコンセンサス。10日にシュレーゲルSNB総裁が「マイナス金利導入のハードルは高いが、本当に必要なら実施」などと発言しており、一段の金利引き下げのハードルは高そうだ。また、市場関係者の間では少なくとも年内は現在の金利水準を維持するとの見方が強い。
ただ、直近の経済指標を振り返ると、8月消費者物価指数(CPI)は1月以来となるマイナスになったほか、先月末に発表された4-6月期四半期国内総生産(GDP)は前年比で予想を下回る伸びに留まっている。前回6月の理事会での声明では、「必要に応じて金融政策を調整することで、中期的にインフレ率が物価安定と整合する範囲内にとどまるよう努める」「スイスの経済見通しは依然として不透明」などの見解が示された。声明の内容に注目したい。
想定レンジ上限
・ドル/スイスフラン:日足一目均衡表・雲の上限0.8059フラン
・ユーロドル:23日高値1.1820ドル。
想定レンジ下限
・ドル/スイスフラン:17日安値0.7829フラン
・ユーロドル:90日移動平均線1.1626ドル。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
