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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、利下げ見通し強まる

◆ポンド、英賃金やインフレは高止まりか
◆ポンド、英中銀MPCでは金利据え置き見込み
◆加ドル、BOCは4会合ぶり利下げとの見通し強まる

予想レンジ
ポンド円 197.00-202.00円
加ドル円 104.50-108.50円

9月15日週の展望
 来週、英国では16日に5-7月雇用データ、17日に8月消費者物価指数(CPI)、18日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策金利発表などが控えている。英中銀イベントの前後には、米国と日本でも金融政策が公表され、ポンドは対ドルや対円で神経質な動きが予想される。
雇用データでは悪化傾向の失業率が懸念されるが、週平均賃金にも要注目。前回の数字(除くボーナス)は前年比5.0%と、BOEのインフレ目標(2%)と整合する約3%を大きく上回ったままだ。英中銀は、インフレについて9月には4%程度まで上昇すると予想しており、今回の5-7月分も高い水準が見込まれる。さえない労働市場と物価動向の間で、中銀は難しい立場にある。

 英金融政策委員会(MPC)では、政策金利は4.00%で据え置かれる見通し。0.25%利下げが決定された前回8月会合では、9人のMPC委員中5人が据え置きを求めた。8月CPIの高止まりは織り込み済みだが、想定以上の加速となればタカ派委員の勢いが増すだろう。なお、短期金融市場では年末まで据え置き予想が優勢だ。また、英中銀は8月に過去1年間の量的引き締め(QT)の影響を点検し、今回9月会合で向こう1年間の方針を決定する。決定内容を受けて英長期債は敏感に反応すると見られ、その方向性にも注目が集まる。

 カナダからも、16日に8月CPIが発表され、翌17日にはカナダ中銀(BOC)が政策金利を公表予定。まずは国内イベントを確認し、その後は米日の金融イベントを見極めることになるだろう。CPIは、7月まで前年比2%割れが4カ月続いている。BOCが重視するコアCPI(中央値やトリム)次第でもあるが、ヘッドラインが1%台でさらに減速となれば、カナダ金利の低下圧力の強まりは避けられない。いずれにせよ、市場ではCPIが大幅に加速しない限り、BOCが4会合ぶり利下げに動くとの見方が強い。5日発表の8月カナダ雇用統計が弱かったことがその理由。増加が期待された新規雇用者数は6.55万人減と下振れ、失業率も7.1%と新型コロナ禍の時期を除くと約9年ぶりの水準まで悪化した。現行2.75%のカナダ政策金利について短期金融市場は、9月会合で0.25%引き下げをほぼ織り込み、10月会合は据え置いた後、12月会合で0.25%追加利下げも視野に入れ始めた。市場の思惑通りに中銀が考えているのか、声明文で読み解くことになる。また、トランプ関税の影響についても、中銀の見通しが依然として注目される。

9月8日週の回顧
 ポンドや加ドルは対円で買いが先行。石破首相の辞任表明を受け、週明けから円安の動きが全般強まった。ポンド円は200.35円と昨年7月以来の高値を更新。カナダ雇用統計を受けて前週に弱含んだ加ドル円も107円前半まで持ち直した。もっとも、米金利先安観の強まりからドル円が失速すると、ポンド円は198円後半、加ドル円が106円手前まで水準を落とす場面があった。

 対ドルでは、ポンドが1.34ドル後半から一時1.35ドル後半まで上昇。加ドルは1.37加ドル後半から1.38加ドル後半まで加ドル安に振れる場面があった。(了)

(執筆:9月12日、9:00)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ