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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、8月米消費者物価指数(CPI)への警戒感から下げ渋る展開か

10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った8月米卸売物価指数(PPI)を受けて147.13円まで下落後、147.65円まで買い戻された。ユーロドルは、米8月PPIが予想を下回ったことや米長期金利の低下を受けて1.1730ドルまで上昇後、1.1694ドル付近まで下押しした。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、来週16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が上値を抑える中、今夜発表される8月米消費者物価指数(CPI)への警戒感から下げ渋る展開が予想される。

 パウエルFRB議長が夏にかけてトランプ関税の影響で物価上昇が顕在化すると述べていたことで、来週のFOMCに向けて、昨日の8月米卸売物価指数(PPI)や本日の消費者物価指数(CPI)を見極めていくことになる。

 8月米卸売物価指数(PPI)は、前月比▲0.1%、前年比+2.6%と発表され、7月の輸入業者が関税分を価格に転嫁していたと思われる前年比+3.1%(※速報値+3.3%から下方修正)から伸び率が鈍化した。また、コアPPIは、前月比▲0.1%、前年比+2.8%だった。
 トランプ米大統領は、「インフレなし!手遅れだ。金利を大幅に、今すぐ引き下げなければならない。パウエルFRB議長は全くの災難で、何も分かっていない!」」として、改めて米連邦準備理事会(FRB)に利下げを要求した。

 ドル円は、147.13円まで下げた後、本日の8月米CPIへの警戒感から147.65円まで買い戻されている。ドル円の147円台の抵抗帯としては、日足一目均衡表・基準線147.68円、一目・転換線147.73円、一目・雲の上限147.98円などが控えており、本日も念頭に置きながら相場に臨んでいきたい。

 8月米CPIの予想は前年比+2.9%で、7月の同比+2.7%からの伸び率上昇が見込まれているのは、7月の川上での上昇が8月の川下に波及するからだと思われる。コアCPIの予想は、同比+3.1%で、7月の同比+3.1%と変わらずと見込まれている。
 コアCPIの前月比ベースでは、5月+0.13%、6月+0.23%、7月+0.32%と伸び率が上昇基調にあるものの、トランプ関税が発動されていた割には落ち着いていた。
 8月は+0.31%と予想されており、トランプ関税の影響がどの程度なのかを見極めることになる。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月に0.25%の利下げを予想する確率は92.0%、0.50%の利下げ確率は8.0%となっており、9月の利下げを完全に織り込んでいる。そして、10月と12月のFOMCでも利下げが予想されており、12月段階のFF金利誘導目標の見通しは3.50-75%となっている。

 また、クックFRB理事がトランプ米大統領による解任を受けて提訴していたが、連邦地裁が解任は無効と認定したことで、9月FOMCには、クックFRB理事が参加できることになった。
 さらに、ミランFRB暫定理事に関しては、昨日の米上院銀行委員会で指名手続きを進めるかどうかの採決が賛成13、反対11で承認されたものの、本会議での承認は15日以降となり、就任宣誓に必要な他の手続きがあるため、16-17日に開催されるFOMCには参加が難しい状況となっている。

(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ