本日のロンドン為替市場のユーロドルは、今夜発表される8月米卸売物価指数(PPI)や明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開が予想される。
明日の欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが見込まれており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げがほぼ確実視されているため、ユーロ買い・ドル売り要因となっている。
ラガルドECB総裁は先日、「ECB は物価目標を達成した」と述べ、金融政策が「良い立ち位置にいる」との考えを踏襲して、様子見姿勢を維持することを示唆していた。
しかし、フランスの政局混迷やフランス国債の格下げへの警戒感が上値を抑える展開となっている。
ラガルドECB総裁は「ユーロ圏内での政権崩壊はどの国であれ懸念材料」と警戒している。
フランスのマクロン大統領は9日、前政権で国防相を務めたセバスチャン・ルコルニュ氏を新首相に指名し、分裂状態にある下院での予算案の可決という重責を託した。
しかし、極右政党・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン氏は、ルコルニュ氏の起用はマクロン氏の最後の一手であり、新たな総選挙は不可避だと述べた。
社会党も、マクロン氏の手法に一切加担しないと表明しており、依然として予算案の成立が危ぶまれており、解散総選挙への警戒感は払しょくされないままとなっている。
フランスのソブリン格付けの見直しに関して、フィッチ・レーティングスは9月12日、DBRSは19日、ムーディーズ・レーティングスは10月24日、S&Pグローバル・レーティングは11月28日に公表する予定となっており、フランスの予算案を巡る混迷に対する審判には警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値)
・ユーロ円:173.97(7/28 高値=年初来高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1593ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:171.68円(日足一目均衡表・雲の上限)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
