NY時間のドル円は上値が重い展開を予想する。一部通信社が複数の日銀関係者の話として、今月は政策金利を据え置くとの見解を示したが「国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」と報じたことをきっかけに、日銀の早期利上げ期待で円買い意欲が強い。一方で今月の米連邦公開市場委員(FOMC)での利下げはほぼ確実となるばかりではなく、追加利下げのスピードも速まる可能性が高く、日米の金融政策の方向性の違いが引き続きドル円の上値を抑えるだろう。
本日NY時間で注目されるのは、米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が発表する年次ベンチマーク改定の速報値。2024年4月から2025年3月までに約80万人(一部の金融機関では100万人近く)下方修正されるとの予想。下方修正の要因としては、新規企業における雇用創出が予想より弱いこと、回答率の低下による標本誤差、そして不法滞在労働者を考慮した調整などが考えられる。
下方修正となれば、対象期間の多くがバイデン前政権時代のものであり、トランプ政権にとって前政権時代に雇用が悪化していたことは都合がよく、更に雇用情勢を見誤ったとしてパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の責めにするにも好都合となるだろう。16-17日に予定されている米連邦公開市場委員(FOMC)での利下げはほぼ確実だが、今後の追加利下げ圧力が高まればトランプ政権の追い風になる。先月にBLS長官が米国議会議事堂襲撃事件にも加わったアントニー氏に交代したこともあり、前政権時の雇用情勢が好調で、利下げの足かせとなるような結果を発表することはないだろう。
なお、昨年は同指標は発表予定時間(日本時間23時)を過ぎても結果が出なかったことで、仕掛け的なドル買いがでるなど神経質な動きになった。遅れて発表された後は、年間雇用者数の伸びが下方修正されたことで、米金利が低下し、ドル売りが進んだ。本日も発表予定時間に結果が出ていないにも関わらず乱高下するリスクもありそうだ。また、結果発表後のトランプ大統領の発言などにも要注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、これまでの本日高値148.58円から4日高値148.78円までが抵抗帯。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、7月24日安値145.86円。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
