27日の日経平均は反発。終値は125円高の42520円。米国株高を受けて上昇して始まるも、早々にマイナス転換。方向感が定まらず、しばらくプラス圏とマイナス圏を行き来した。ただ、下げ幅を3桁に広げると切り返しており、下値は限られた。11時辺りからスルスルと上げ幅を広げて3桁の上昇で前場を終えると、後場はプラス圏が定着。上げ幅を200円超に広げて42600円台に乗せたところでは上値が重くなったが、萎んで前日終値に接近したところでは盛り返し、終値で42500円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1800億円。業種別では電気・ガス、空運、非鉄金属などが上昇した一方、保険、その他製品、ゴム製品などが下落した。中外製薬が急伸。同社が創製し、米イーライリリーが開発中の経口肥満症薬の治験で良好な結果が確認できたことが買い材料となった。半面、東証から特別注意銘柄に指定されたACCESSが一時ストップ安となるなど急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり741/値下がり793。欧州企業から出資比率引き上げの提案を受けているとの観測が報じられたニコンがストップ高。エヌビディアの決算発表を前にアドバンテストが4%を超える上昇となった。上方修正を発表したNJSが急騰。ぷらっとホームがリリースを材料に後場に買いを集めてストップ高となった。足元で振れ幅が大きくなっているアステリアが19.3%高と急騰。全市場の売買代金でトップ5入りするなど商いも活況となった。
一方、サンリオが3%を超える下落。川崎重工やIHIなど防衛関連が弱かった。三菱UFJ、第一生命、MS&ADなど金融株が軟調。通期見通しを引き下げた三菱自動車が、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。公募・売り出しを発表したニューラルグループが大幅に下落した。
日経平均は反発。エヌビディアの決算発表を前に様子見姿勢は強かったが、アドバンテストが先回りで強く買われるなどアグレッシブな動きも見られた。あすはエヌビディアの時間外の反応を手がかりに、半導体株の注目度が高まると思われる。日経平均は19日に43876円まで上昇した後、大崩れすることなく調整が進んでいるだけに、この辺りで半導体株が買われて上を試しにいけるようなら、センチメントが強気に傾きやすい。
また、半導体以外の銘柄にも注目しておきたい。仮にエヌビディアの決算が市場の期待に届かなかったとしても、半導体株以外の銘柄を嫌う理由にはならない。今の日本株は他のジャンルにも相場の主役を張れる銘柄が多い。防衛株やゲーム株などは中期の基調は強いが足元では利益確定売りに押されており、その分、過熱感は削がれている。半導体株が買われてリスクオンというのが理想的なシナリオだが、そのシナリオでなくても日本株に上がり目はある。注目イベントを消化することで物色意欲が刺激され、調整一巡感が出てくる展開に期待したい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
