22日の日経平均は4日ぶり反発。終値は23円高の42633円。米国株安を受けても小高く始まったが、場中は方向感に欠ける動きが続いた。開始直後には上げ幅を3桁に広げるも、急失速してマイナス圏に沈むと一気に下げ幅を200円超に拡大。42300円台に入ったところでは切り返し、再びプラス圏に浮上した。開始15分程度で高値と安値をつけると、10時辺りからは前日終値近辺でもみ合う展開。前場は一桁のプラスで終えた。後場はマイナス圏で推移する時間が長く、小幅な下落でクロージングオークションに突入したが、引けにかけて買いが入り、終値ではプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9500億円。業種別では保険、証券・商品先物、銀行などが上昇した一方、化学、空運、サービスなどが下落した。ステーブルコインに関するリリースを材料に、電算システムホールディングスがストップ高。半面、直近上場のアクセルスペースホールディングスが、一時ストップ安となるなど大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1013/値下がり547。証券会社が目標株価を引き上げたソフトバンクGが4日ぶりに反発して2%近い上昇。ソニーG、レーザーテック、サンリオ、東電HDなどの動きが良かった。戦略的資本業務提携に関する合意書を締結したと発表した東北銀行とSBIHDがそろって大幅高となり、九州FGや西日本FGなど地銀株全体に買いが波及。証券会社がレーティングを引き上げたグローリーが買いを集めた。
一方、東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学など半導体関連の一角が軟調。キーエンスやダイキンなど値がさの一角も弱かった。三菱ケミカルや三井化学など前日の動きが良かった化学株の多くが下落。直近で騰勢を強めていたトレードワークスが急落した。
日経平均は4日ぶりに反発。かろうじてプラスといった動きではあったが、プライムでは値上がり銘柄が多く、TOPIXはプラスで推移する時間が長かった。金融株の動きが良かったが、東北銀行のリリースで地銀株が刺激されたことに加えて、寄り前に発表された7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想をやや上回ったことも買い材料になったと思われる。直近でベッセント財務長官が日銀の金融政策について言及したこともあり、日銀がそう遠くないうちに利上げを再開するとの見方が浮上している。来週は金曜29日に8月東京都区部CPIなど経済指標の発表が多い。金融株の動意材料となるかどうかに注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
波乱含みか。米国で水曜27日にエヌビディアが決算発表を予定している。足元で国内半導体株の値動きが不安定となっているだけに、同社の決算が大きな注目を集めることになるだろう。東京市場で結果を消化するのは木曜で、週半ばまでは手がけづらさが意識される。日経平均は8月19日に43876円まで上昇した後は失速しており、プライムの売買代金も減少傾向にあるだけに、「待ち」の姿勢が続く中で市場エネルギーの低下が懸念される。また、エヌビディアの決算が市場に好感される内容であったとしても、国内半導体株が連れ高できるとは限らない点は留意しておく必要がある。一方、日経平均は25日線(22日時点では41602円)近辺まで下げてくれば、調整一巡への期待が高まってくる。上値追いには慎重になるとみるが、深押しするようなら買いは入りやすく、週末まで強弱感が交錯した状態が続くと予想する。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
