今週に入りドル円は、一時的に148円乗せや147円割れを示現するものの、基本的には147円台でのレンジ内での取引に限られている。本日も明日予定されているジャクソンホール会合での、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前にして、大きな値動きを期待するのは難しそうだ。
ただ、本日は米国から複数の経済指標が発表されることで、指標結果により市場が神経質な動きを見せることには警戒したい。日本時間21時30分には8月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、22時45分に各業種の購買担当者景気指数(PMI)速報値、23時に7月米景気先行指標総合指数などが発表される。
本来であれば複数発表されることで、それぞれすべての結果が出揃うまでは反応は難しい。ただ、この何年もの間、経済指標の反応を支配しているのは、AIによる取引で、指標結果次第で自動取引が相場をかく乱することになるだろう。
景気指数も重要だが、市場がそれ以上に動意づく可能性があるのは21時30分に発表される前週分の米新規失業保険申請件数及び失業保険継続受給者数の雇用指標。先月発表された米雇用統計の大幅下方修正で、雇用指標のネガティブサプライズには特に反応しやすそうだ。先週は雇用指標と同時に発表された卸売物価指数(PPI)が大幅に上振れたことで、雇用指標への反応は限られた。しかし、今週は予想と結果に大幅な乖離が生じた場合は市場の反応が敏感になるかもしれない。
なお、引き続きクック米連邦準備理事会(FRB)理事に対するトランプ政権の圧力にも要注目。クック理事の辞任問題は、トランプ政権の内部から住宅ローンをめぐる不正があったとして追及する動きがきっかけ。一部ではトランプ政権が、FRBをコントロールするためにクック氏のあらを探していたとのうわさも出ている。
ボウマンFRB副議長、ウォーラーFRB理事に続き、現時点では上院から承認を受けていないもののミラン氏が理事に加わり、クック氏まで理事を辞任すれば、7人のメンバーのうち4人もハト派で占められることになるだろう。同氏は現在の理事のメンバーの中で、任期終了となるのが最も遅く2038年になっている。民主党支持者でもあり、トランプ政権にとっては辞めさせることができれば、これほど好都合なことはない。もし、同氏が辞任に追い込まれた場合は、FRBが政権にコントロールされ独立性を失うことと、ハト派に占有されるという、2つの観点からドルが軟調に動きやすそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、19日高値148.11円から日足一目均衡表・基準線148.39円が抵抗帯。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、15日安値146.74円。割り込むと日足一目均衡表・雲上限146.32円。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
