11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、12日の7月米消費者物価指数(CPI)や14日の7月米卸売物価指数(PPI)、15日の米露首脳会談を控えたポジション調整の買いで148.25円まで上昇した。ユーロドルは1.1590ドルまで値を下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米7月消費者物価指数(CPI)への警戒感から、米7月雇用統計ショックによる下落幅(150.92円~146.62円)の半値戻し(=一目・転換線)148.77円を意識した底堅い展開が予想される。
米7月CPIは前年比+2.8%、コアCPIは同比+3.0%と予想されており、ドル売り持ちポジションを買い戻す要因となっている。
11日、連邦議会下院の監視委員会は、トランプ米大統領の致命傷となりえる「エプスタインファイル」に関して、マックスウェル受刑者に対し委員会で証言するよう召喚状を送っていたが、延期されたことで、リスク回避要因が後退した。
12日、米中の関税一時停止措置の期限となっていたが、トランプ米大統領は90日間延長を決定しており、リスク回避要因が後退した。
また、ベッセント米財務長官は、対日相互関税に関する是正のための大統領令が、50日前後の9月中旬を目処に発令されると表明している。
さらに、昨年8月21日に発表された米労働省による年次ベンチマーク改定(▲81.1万人の下方修正)は、今年は9月9日に発表されるとのことで、リスク回避要因の先送りとなっている。
豪準備銀行(RBA)理事会では、オーストラリアのインフレ率低下傾向を背景に0.25%の追加利下げが見込まれている。政策金利据え置きが決定された7月の理事会の議事要旨では、「慎重かつ段階的」な利下げに言及されていた。すなわち、2月に利下げに着手し、4月は据え置き、5月に追加利下げ、7月は据え置きという2回に1回のペースでの利下げサイクルにより、8月理事会での利下げ観測が高まっている。
また、オーストラリアの4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+2.1%と前期の+2.4%からインフレ鈍化が確認されたほか、RBAが重視しているトリム平均も+2.7%と2021年10-12月期以来の低水準となったことも、利下げ要因となっている。
RBAの声明文は、緩やかな緩和路線になると予想されているものの、ハト派的なガイダンスを示さない可能性も警戒されており、今後の利下げペースを確認することになる。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
