16日の日経平均は反落。終値は14円安の39663円。小高く始まるも、買いが続かず前場ではプラス圏とマイナス圏を行き来した。半導体株には強い動きが見られた一方、プライムでは値下がり銘柄が多く、強弱感が交錯した。後場に入ると半導体株が一段と買われたことで、200円超上昇する場面があった。しかし、ASMLホールディングの決算が伝わった14時辺りからは失速。下げに転じる半導体株も出てくる中、指数も値を消してマイナス圏に沈んだ。後場の上昇分を吐き出した後は前日終値近辺でのもみ合いが続き、小幅な下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3900億円。業種別ではその他製品、情報・通信、食料品などが上昇した一方、不動産、パルプ・紙、証券・商品先物などが下落した。1Qが大幅増益となったオープングループが急騰。半面、1Q決算が市場の期待に届かなかったテラスカイが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり568/値下がり994。主力どころではフジクラ、良品計画、IHI、任天堂などが強めの上昇。半導体株は値動きが荒くなったが、東京エレクトロンやアドバンテストはプラスを確保した。通期見通しを引き上げた東宝が跳ねており、東映や東映アニメーションなど映画関連に連想買いが入った。上期が計画を上振れた串カツ田中が急騰。リリースを材料にヘリオスがストップ高となった。
一方、強く買われる場面もあったレーザーテックが後場に崩れて5%安。米国で金融株が決算を材料に売られたことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調となった。米国では長期金利上昇を受けて住宅関連も弱く、住友林業が大幅安。三井不動産や三菱地所など不動産株も総じてさえない動きとなった。1Qが大幅減益となったヨシムラフードが急落した。
日経平均は小幅安。半導体株の影響を大きく受けながら、方向感に欠ける動きが続いた。参院選の投開票と三連休が迫ってきて日増しに手がけづらさが意識される中、半導体に関しては今週材料がいくつかある。そのため、良くも悪くも半導体次第といった様相が強まってくる。あすは台湾でTSMC、国内では引け後にディスコが決算発表を予定している。
参院選に関しては、自公の過半数が微妙といった観測も出てきているが、政局の混乱を警戒するような売りは今のところ限定的となっている。むしろ、国内長期金利の上昇(債券売り)や円安(円売り)は、与党の大敗を織り込みにいっているようにも見える。きょうは引け味は悪かったものの、前日から水準はほとんど変化していない。終値(39663円)では5日線(39603円、16日時点、以下同じ)を上回っている。選挙前に政治を理由として日本株が崩れるリスクは低下しつつあるだけに、あすは5日線や節目の39500円より上で推移できるかに注目したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
