本日のNY為替市場のドル円は、米国株式・債券市場の動向を注視しながら、トランプ米大統領のロシアに関する重大発表に注目することになる。
トランプ米大統領が欧州連合(EU)に対する相互関税率を4月の20%から30%に引き上げたことで、通商交渉の猶予期限とされる8月1日に向けて、欧米通商交渉の進展を見極めていくことになる。
フォンデアライエン欧州委員長は、米国の関税に対する対抗措置の停止期間を8月上旬まで延長し、交渉による解決を引き続き目指す方針を明らかにしつつも、交渉がまとまらない場合は報復関税を打ち出す可能性も示唆している。
シェフコビッチ欧州委員会副委員長は「米国の関税計画は、相互の貿易の障害になる」と述べつつ、本日、米国と協議する予定、と述べた。
今週は17-18日にG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されるものの、米国の交渉担当者でもあるベッセント米財務長官は欠席して、19日の大阪万博会場での米国の「ナショナルデー」の催し物に参加することになっている。
赤沢経済再生相は、20日の参議院選挙の投開票を控えて、ベッセント米財務長官との通商交渉を目論んでいる、と報じられている。
本日のトランプ米大統領のロシアに関する重大発表では、ロシアに対する制裁強化やウクライナに対する支援強化などが予想されている。
トランプ米大統領の発表を受けて、ウクライナ情勢の地政学リスクの高まりから有事のドル買いとなった場合、200日移動平均線の149.71円を念頭に置き、11日時点で円のネット買い持ちポジションが116155枚になっているシカゴIMM筋の手仕舞いのタイミングを見極めることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.71円(200日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.14円 (7/11安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
