11日の日経平均は続落し、終値は76円安の39569円。かなり強く始まったが、動きが良かったのは最初だけであった。ファーストリテイリングが足を引っ張った格好にはなっているが、終盤にかけては下を試しにいっており、4万円台回復のハードルの高さがうかがえる。来週は参院選の投開票前かつ三連休を控えており、上値追いには一段と慎重になると思われる。
今週、週間ではグロース250指数が5.3%高とパフォーマンスが良好であった。6月後半から先週辺りまではさえない動きであったが、強い切り返しを見せている。上述のように日経平均は上値が重くなる可能性があるだけに、新興銘柄の上値が軽くなる展開に期待したい。
【来週の見通し】
方向感に欠ける展開か。日曜20日が参議院選挙の投開票日。翌週月曜21日は海の日により休場で、東京市場は三連休を控えるスケジュールとなる。万博イベントへの出席が目的とのことだがベッセント米財務長官が19日に訪日することも伝わっており、高くなればリスク回避や利益確定を目的とした売りは出やすい。一方、参院選や三連休を過度に警戒して大きく下げるようなら、連休明けの反転を期待した押し目買いが入るだろう。強気にも弱気にも傾きづらく、値幅が出ればそれが修正されて週間では水準が大きく変化しないと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。週明け7日の日経平均は、関税交渉への不透明感やETF分配金ねん出売りへの警戒感などから200円を超える下落。8日はトランプ大統領が日本からの輸入品に25%の関税を課すと表明したことを受けて下げて始まったものの、切り返してプラスで終えた。9日は不安定な動きとなったものの、円安を追い風に連日の3桁上昇。一方、10日は米国株の上昇を受けても3桁の下落となり、11日は大幅高スタートから急失速して下落で終えた。8日と10日がETFの分配金ねん出目的の売り需要発生日であったほか、11日がSQ日で、需給に関する思惑が入り交じる日が多い週でもあった。日経平均は週間では約241円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、5月機械受注、5月第3次産業活動指数(7/14)、 6月訪日外客数(7/16)、6月貿易統計、6月首都圏新築マンション発売(7/17)、6月全国消費者物価指数(CPI)(7/18)、参議院議員選挙投開票日(7/20)などがある。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
