
東証プライムの売買代金は概算で3兆7600億円。業種別では石油・石炭、鉱業、機械などが上昇した一方、サービス、化学、輸送用機器などが下落した。証券会社がレーティングを引き上げたサイボウズが急騰。半面、証券会社が投資評価を引き下げたエムスリーが大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり564/値下がり986。中東の地政学リスクの高まりを受けて、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社が大幅高。原油高を手がかりに、INPEX、コスモエネルギー、出光興産などに資金が向かった。リミックスポイントやメタプラネットなど暗号資産関連が商いを伴って急伸。決算が好感されたANYCOLORや、証券会社が投資判断を引き上げた住友ファーマがストップ高まで買い進まれた。
一方、米国でグロース株が弱かったことから、レーザーテックやディスコなど半導体株の多くが下落。リクルートが3%を超える下落となったほか、ファーストリテイリングやキーエンスなど超値がさ株が弱かった。円高を嫌気してトヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株が軒並み安。決算が嫌気されたRidge-iやGENDAが急落した。
日経平均は200円を超える下落。ただ、取引時間中にドル円が円高に振れた割には比較的値を保った。安値は38102円までで、終値(38173円)では5日線(38127円、12日時点)を上回った。この程度の下げであれば、前日まで4日続伸した分のクールダウンの範ちゅうにすぎない。
あすはメジャーSQ日で、序盤は振れ幅が大きくなるかもしれない。ただ、市場の関心はG7サミット(6/15~17)、日銀会合(6/16~17)、FOMC(6/17~18)など、来週消化するイベントに移っていくと思われるだけに、次第に値動きが落ち着いてくるだろう。為替動向には注意を払う必要がある。本日、米国では5月生産者物価指数(PPI)の発表と30年国債入札が予定されている。前日に5月消費者物価指数(CPI)と10年国債入札を消化して米10年債利回りが低下しているだけに、米金利低下に勢いがつくようなら、円高・ドル安がもう一段進む可能性はある。今週の日経平均は週初から38000円を上回り、きょうまで一度も38000円を割り込んでいない。下げたとしても38000円より上で推移できるかに注目したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ