
東証プライムの売買代金は概算で4兆0600億円。業種別では海運、精密機器、鉱業などが上昇した一方、保険、倉庫・運輸、銀行などが下落した。中期経営計画が好感されたリバーエレテックが買いを集めてストップ高。半面、3Q累計で営業赤字となったファーマフーズが大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり673/値下がり876と、後場に入って値下がりが値上がりを上回った。ニデックやロームなどハイテク株の一角が大幅上昇。安川電機やキーエンスなどFA関連の動きが良かった。ストップ安比例配分が2日続いたアイスペースが、下落スタートから切り返して10.3%高。足元で騰勢を強めているデータセクションが一時ストップ高となり、商いも膨らんだ。リベラウェアが急騰したほか、テラドローンやブルーイノベーションがストップ高となるなど、ドローン関連が人気化した。
一方、アドバンテストは前場では全体の上昇をけん引するような動きを見せていたものの、終盤に崩れてマイナス転換。防衛大手の三菱重工、川崎重工、IHIが強めに売られた。第一生命、T&D、SOMPOなど保険株が軟調。決算が失望を誘ったミライアルが8%を超える下落となった。
日経平均は3日続伸。ただ、前場と後場では相場の雰囲気がガラッと変わった。終日プラス圏で推移しており、一度も38000円を割り込まなかった点はポジティブ。一方、高値が38495円、終値が38211円で、38500円に迫りながらもこれを超えられず、大きく押し戻された点はネガティブ。5月29日の高値が38454円、5月13日の高値が38494円で、38500円は天井感が意識される水準となっている。
11日の米国では5月消費者物価指数(CPI)の発表や10年国債の入札があり、米国の長期金利やドル円には大きな動きが出てくる可能性がある。これらを前にあすの日本株は様子見ムードが強まるだろう。日経平均が38000円を割り込んでしまうようだと、リスク回避の売りが多めに出てくる展開も想定される。その場合には、5日線(37868円、10日時点)辺りまでで売りが一巡するかどうかに注目しておきたい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ