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【見通し】株式明日の戦略-意外高で38000円台をキープ、反動がなければ下値不安は和らぐ

28日の日経平均は3日ぶり反発。終値は214円高の38349円。米国株安と円高進行を受けて、3桁安スタート。開始直後には下げ幅を300円超に広げた。しかし、東京時間で円高に一服感が出てきたことから、早々に下げ止まって反転した。10時台には米国の中国に対する半導体規制が想定されたほど厳しいものにはならないといったニュースが伝わり、東京エレクトロンが急伸。指数も同じタイミングでプラス転換し、上げ幅を3桁に広げた。そこからしばらく強い基調が続き、上げ幅を300円超に拡大。13時台半ばに節目の38500円に接近したところでは上値が重くなったものの、200円を超える上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1700億円。業種別では全33業種が上昇。その他製品、水産・農林、食料品などが強い上昇となった一方、精密機器、不動産、サービスなどが小幅な上昇にとどまった。6.7%高となった東京エレクトロンに刺激されて半導体株の値動きが大きくなっており、KOKUSAI ELECTRICが12.6%高と急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、半導体株が全面高となったわけではなく、アドバンテストは3.5%安と大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1179/値下がり405。半導体株では東京エレクトロン、コクサイエレのほか、SCREENやソシオネクストが大幅上昇。前日売り出しを発表して急落したサンリオが商いを伴って買いを集めた。12.8%高と急騰したT&Dは、IR説明会の内容が評価されたもよう。決算を材料にカシオが急伸した。

 一方、アドバンテストのほか、レーザーテックやディスコが下落。主力どころでは、川崎重工やフジクラが弱かった。東京メトロが商いを伴って3%安。証券会社がレーティングを引き下げたリコーが大幅に下落した。民事再生手続きの申し立てを発表した日本電解は売りが殺到してストップ安比例配分となった。

 本日、グロース市場に新規上場したククレブ・アドバイザーズは、高い初値をつけたものの、終値は初値を下回り安値引けとなった。

 日経平均は大幅高。東京エレクトロンが全体の押し目買い機運を高めるのに一役買った。ただ、同じ半導体株でも買われるものとそうでないものの濃淡がかなりついた。本日の米国は感謝祭により休場で、あすは材料難となる。それを見越してきょうは値幅が出た銘柄にひとまず乗る動きが活発になった可能性もあるだけに、大幅高となった銘柄のあすの値動きには注意を払う必要がある。一転して売られる銘柄が多いようなら、きょうは単なるマネーゲームであったと解釈される。

 きょう大幅安になってしまうとチャートが崩れることでセンチメントが大きく悪化するリスクがあっただけに、プラスで終えられたことはポジティブ。終値(38349円)では節目の38000円や75日線(38164円、28日時点)を上回った。業種別で全33業種がプラスとなったことは、底打ちへの期待を高める。円高は引き続き警戒材料ではあるものの、きょうの反動があす出てこなければ、38000円割れは買い場との見方が強まり、下値が固くなってくるだろう。

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ