
東証プライムの売買代金は概算で6兆5000億円。MSCIのリバランス需要発生日で商いは高水準となった。業種別ではサービス、保険、医薬品などが上昇した一方、鉄鋼、非鉄金属、水産・農林などが下落した。上方修正を発表したミタチ産業が急騰。半面、株式の売り出しを発表した明治ホールディングスが大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり744/値下がり823。メディア記事で旧村上ファンド系による株式取得が報じられた京成電鉄と京浜急行がそろって2桁の上昇率となり、プライム値上がり率の1位と2位にランクイン。小田急や富士急行など他の鉄道株にも買いが波及した。ファーストリテイリング、ソフトバンクG、東京エレクトロンが3%台の上昇と、指数寄与度の大きい銘柄の動きが良かった。自己株取得を発表した三井化学が大幅上昇。証券会社が投資判断を引き上げた小林製薬やコンコルディアが買いを集めた。
一方、米エヌビディアの大幅安を嫌気して、アドバンテストが2.3%安。個別にフジクラやIHIが弱かった。メルカリが4%を超える下落。「メルカリ」サービスの顧客サポート体制強化などを発表したが、コスト上昇に対する警戒が強まった。公募・売り出しを発表したフジオフードが急落した。
日経平均は一時39000円を上回るなど、上に値幅が出た。買い一巡後は萎んだものの、終値(38780円)で25日線(38686円、25日時点)を上回っている。先週は38000円を割り込んだところで75日線をサポートに切り返した。あすは下げたとしても、きょうの反動と受け止められるため、警戒ムードはさほど高まらない。再び39000円台に乗せることができれば、踏み上げ的な上昇も期待できる。反動安がない方が、投資家心理は強気に傾きやすい。流れが良くなってきただけに、休息を入れることなく、再度39000円台を試す動きが見られるかに注目したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ