本日のNY市場でのドル円は、植田日銀総裁の会見に対する反応を見つつ、昨日に続き米国で発表が予定されている複数の経済指標を確認しながらの取引となるか。
植田日銀総裁は日銀会合後の会見で、これまでのように「時間的な余裕はある」との文言を使わなかったことでドル円は欧州市場序盤に152円を割り込んだ。売り一巡後は152円台に戻しているが、上値は重い。会見内容が総じてタカ派であったこともあり、円買い材料として蒸し返される恐れがある点には注意したい。
冒頭で触れたが、本日は米国で多数の経済指標の発表が予定されている。まずは9月PCEデフレーターが注目されるか。市場予想はPCEデフレーターが前年比+2.1%、PCEコア・デフレーターは同+2.6%と前回(+2.2%、+2.7%)から小幅に伸び鈍化の見通し。PCEデフレーターについては米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目していることもあり、伸び鈍化傾向が続けば米利下げ観測に結びついてドルの重しとなる展開も想定される。
同時刻には、新規失業保険申請件数も発表される。市場予想は23.0万件と前週(22.7万件)より小幅増加の見通し。明日の米雇用統計への思惑に結びつきやすいので、結果に注目したい。
そのほか、22時45分には10月米シカゴ購買部協会景気指数が発表予定。市場予想は47.0と6月(47.4)以来の数値に上昇見込みとなっている。
また、本日は月末であるため、ロンドンフィキシング(日本時間25時)に向けた月末の特殊玉に警戒しておきたい。
他方、カナダで8月国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は前月比が横ばい、前年比は+1.5%(前回:+0.2%、+1.5%)となっている。同時刻に発表される米経済指標を受けたドル円の動きを見つつではあるが、こちらも注目したい。
想定レンジ上限
・ドル円は現時点での本日高値153.59円
・カナダドル円は本日と30日高値110.39円
想定レンジ下限
・ドル円は200日移動平均線151.53円。
・カナダドル円は日足・一目均衡表の雲の上限108.80円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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