21日の日経平均は反落。終値は27円安の38954円。米国株高を受けても寄り付きは小幅な下落。さえないスタートとなったことで序盤では売りに勢いがつき、一時下げ幅を200円超に広げた。38700円台に突入したところでは鋭角的に切り返し、ほどなくプラス圏に浮上。前場は3桁の上昇かつ、高値圏で終えた。
一方、39100円より上は重く、後場に入ると伸び悩んだ。萎んでも大半の時間では39000円より上で推移し、プラスで終われそうな雰囲気を醸し出していた。しかし、引け間際までプラスであったにもかかわらず、大引けにかけてまとまった売りに押され、小幅な下落で取引を終えた。
終値(38954円)では寄り付き(38960円)を上回ることができず、9営業日連続で陰線を形成。TOPIXは前場は小幅高で終えたものの、後場は一度もプラス圏には浮上できなかった。グロース250指数が1.4%高と、相対的に強い動きを見せた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4100億円。業種別では海運、ゴム製品、精密機器などが上昇した一方、電気・ガス、水産・農林、銀行などが下落した。特別利益の計上に伴い、通期の純利益見通しを引き上げたイトクロが急騰。半面、上期の速報値が前年同期実績との比較で大幅減益となった今村証券が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり698/値下がり888。ディスコ、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体株の一角が大幅上昇。「楽天モバイル」の契約数が800万回線を突破したと発表した楽天Gが買いを集めた。個別に霞ヶ関キャピタルや川崎汽船が強い動き。証券会社のリポートを材料にMonotaROが急伸した。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって大幅安。売買代金上位ではJTやフジクラが弱かった。九州電力や北海道電力など電力株の多くが軟調。銀行株がメガから地銀に至るまで軒並み安となった。今期の最終減益計画を提示したラストワンマイルが11.1%安と急落した。
本日、札幌証券取引所アンビシャス市場に新規上場した伸和ホールディングスは公開価格割れからのスタートとなり、終値は小幅に初値を下回った。
日経平均は反落。引け間際までプラスであったのに、下落で終えて39000円も下回り、陰線が9本並んだ。さすがにきょうは陽線を形成できるだろうと期待していた投資家をあざ笑うかのような値動き。プライムの売買代金は低水準で、今は買い手も売り手も少ない中、特に買い手不在の感が強い。
衆院選に関しては、自民党+公明党でも過半数が微妙といった報道も出てきており、政権与党の苦戦に関するニュースが相次ぐようだと「選挙は買い」のアノマリーは期待しづらくなる。今晩の米国では特段の材料に乏しく、あすの日本株も売買は盛り上がらないと思われる。TOPIX(21日終値は2679p)が25日線(2668p、21日時点、以下同じ)に接近しており、同水準がサポートとして機能するかどうかが注目される。あっさり割り込むようだと、日経平均も早晩25日線(38379円)を割り込むとの見方が強まる可能性があるだけに、注意を要する。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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