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【見通し】ロンドン為替見通し=ユーロドル、上値限定か 欧米金利差を意識

本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧米金利差を意識しながら上値は限定されたままか。経済指標では8月独製造業新規受注やユーロ圏小売売上高の発表があるものの、相場へのインパクトは強くなさそうだ。むしろ、複数の欧州金融当局者の発言内容やそれを受けた欧州の中長期金利の動向に注目したい。また、先週末に大きく上昇した米・中長期債利回りも時間外取引ではあるもののドル相場の材料にされるだろう。

 4日に発表された米9月雇用統計が想定以上に強かったことを受けて、市場の米金利見通しが大きく変わってきた。11月米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する利下げ織り込み度は0.50%が消滅し、0.25%で確定というのが現状。ただ今週発表される9月米インフレ指標次第では、据え置き予想が一気に高まる可能性も出てきた。そのため、9月米消費者物価指数(CPI)がよりいっそう注目されることになるだろう。今のところ、CPI総合は前月比・前年比とも前回から鈍化が見込まれている。

 一方、欧州中央銀行(ECB)に対しては、緩和スタンス維持というのが市場の見立て。本日も、内容的には繰り返しになるが仏中銀総裁がインタビューで「ECBはおそらく今月利下げを実施するだろう」と言及し、「インフレ目標のアンダーシュートに警戒する必要がある」とも述べた。ECB専務理事であるチポローネ氏や、同銀チーフ・エコノミストでもあるレーン氏、そしてエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演が予定されている。
 
 17日のECB理事会やラガルド総裁の会見までは、欧州金利先安観は根強いだろう。一方、米金利への上昇圧力は緩みそうもなく、そうなるとユーロドルは下値への警戒感が維持されたままか。

 また、中東情勢には依然として注意が必要だろう。イスラム組織ハマスによるイスラエル急襲から1年が経った。テロ組織の撲滅を目指すイスラエルは、今後もガザ地区やレバノンへの攻撃を続けるだろう。イスラエル対イスラムという対立構図に、西側諸国も巻き込まれつつある。今後、先行き不透明感が一層高まるようであれば、金融市場でも「リスク回避」が意識される場面もあるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1056ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、200日移動平均線・1.0874ドル

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ