◆ポンド、英中銀の緩和ペースは速まりづらい
◆加ドル、10月会合で大幅利下げ観測高まる
◆日米金融政策を消化しながらの取引続く
予想レンジ
ポンド円 186.00-193.00円
加ドル円 103.50-107.50円
9月23日週の展望
ポンドは対ドルでは米国、対円では日本の金融政策を消化しながら、英中銀の緩和ペースが速まりづらいとの思惑から下値は限定的となりそうだ。19日にイングランド銀行(BOE)が公表した金融政策委員会(MPC)の結果は、「政策金利5.00%で据え置き」と市場予想通りだった。英中銀は8月に約4年半ぶりの利下げに踏み切ったものの、一旦は様子見スタンスを取った。注目されたMPCメンバー9名による投票では据え置き支持が8名を占め、ディングラ委員のみが追加利下げを主張。前回は意見が分かれたものの、今回の据え置きはMPCの総意と捉えてよいだろう。
中銀声明では「今後数カ月で段階的な利下げが可能」との言及はあったものの、「インフレが低水準を維持することが極めて重要」とも指摘された。インフレの足もとの状況を見ると、8月消費者物価指数(CPI)は前年比総合が予想通り2.2%上昇と、中銀インフレ目標2.0%をわずかに上回る水準だった。しかしながら前年比コアは3%台で想定以上に加速し、金融当局が注視しているサービスインフレ率も5%台で前回より上振れた。一部インフレの進行は一時的との見方はあり、市場は年内残り2会合で0.25%ずつの利下げ予測を維持したままだが、先行きの更なる金利低下織り込みには慎重な雰囲気が広がっている。英経済指標では、製造業とサービス部門の9月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表予定。
加ドルは上値を追いづらい展開となりそうだ。カナダ中銀(BOC)による大幅利下げ観測が浮上し、加ドルの重しとなっている。17日発表の8月CPIは前月比が0.2%低下し、前年比も予想より鈍化の2.0%上昇と2021年2月以来の低水準を記録。BOCのインフレ目標2%を達成し、中銀が重要視するCPI中央値やトリム値も2%台で減速しており、金融緩和を進めやすい環境が整ってきた。またカナダ経済に大きな影響を与える米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が0.50%利下げを決定。マックレムBOC総裁は「必要に応じ、大幅な利下げを行う可能性」に言及しており、米国に追随して10月会合で0.50%の金利引き下げとの見方が広がりつつある。なお米国の政策だけでなく、日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁の会見内容を踏まえた値動きも加ドル相場に影響を与えるだろう。カナダ経済指標は7月国内総生産(GDP)が発表予定。
9月16日週の回顧
ポンドは底堅い動き。対円では週明け183円後半まで売り先行も、ドル円の切り返しにつれて反発。8月英インフレ指標で一部データが上振れたことや、堅調な株式市場を受けてリスク志向ムードが高まったことなども支えとなった。英中銀の金融イベントを経て全般ポンド買いが進むと、一時190円前半まで上昇した。ポンドドルは1.31ドル前半で下値を固め、FOMCや英MPCで上下に大きく振れながらも、1.33ドル前半と約2年半ぶりの高値圏まで上値を伸ばした。
加ドルも対円では102円後半まで売り先行も、一巡後は他クロス円とともに反発して週後半には106円手前まで持ち直した。対ドルでは1.36加ドル半ばから1.35加ドル前半で上下した。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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