17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は142.47円まで大幅上昇。予想を上回る8月米小売売上高や8月米鉱工業生産、9月米NAHB住宅市場指数を受けて、米長期金利の上昇や日経平均先物の上昇を背景にドル高円安が進行した。ユーロドルは1.1111ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明での0.50%の利下げ観測がやや後退したものの可能性は依然として残されているため、ここからの上値は限定的だと思われる。
昨日のドル円は短期的な攻防の分岐点である日足一目均衡表・転換線141.91円を上抜けて142円台半ばまで上昇した。予想を上回る米8月小売売上高を受けて、FOMCでの0.50%の利下げ確率がやや低下したことが影響した。
しかし前回8月15日の米7月小売売上高への反応を見ると、予想比上振れを受けてドル円は同月5日の令和のブラックマンデー以来の戻り高値149.39円まで上昇したが、ドル高は一時的だった。そのため、昨日の予想より強かった小売売上高によるドル高反応も、FOMCでの利下げ幅次第で一過性となる可能性には警戒しておきたい。
ドル円の142円台は、12日にウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が0.50%の利下げの可能性を示唆した水準であり、0.50%の利下げ観測台頭による16日の安値139.58円までの下げが「往って来い」になった。同記者は、パウエルFRB議長のスポークスマン的な存在であり、これまでパウエルFRB議長の意図を配信することで知られてきた。
WSJ紙は『FRB利下げのジレンマ:大きく始めるか、小さく始めるか(The Fed’s Rate-Cut Dilemma: Start Big or Small?)』と題し、「関係者は今後数カ月で複数回の利下げが可能であるとの自信を示しており、伝統的な0.25%の引き下げか、より大きな0.50%の引き下げかについての議論が行われている」と報じた。
さらに英紙フィナンシャルタイムズも、0.50%の利下げが実施される選択肢はなお残っていると報じ、ダドリー前米NY連銀総裁も0.50%の利下げを実施する強い論拠があるとの認識を示した。もし、FOMCでの利下げ幅が0.25%だった場合、WSJ紙、FT紙、ダドリー前米NY連銀総裁への信頼が失墜することになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、FOMCで0.25%の利下げを予想する確率は37%程度にやや上昇し、0.50%の利下げを予想する確率は63%程度にやや低下している。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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