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【見通し】ロンドン為替見通し=欧州午後のECB政策公表とラガルド総裁の会見待ち

本日のロンドン為替市場では、欧州中央銀行(ECB)理事会の政策決定内容やその後のラガルドECB総裁の定例記者会見が注目となる。ただしこれら主要イベントは欧州午後、日本時間21時過ぎまで待たねばならない。それまでユーロドルは、極めて大きめなNYカットオプションが設定されている1.10ドルを睨みながらの値動きか。

 ECBの決定に対する市場予想は、現行4.25%の主要政策金利が3.60%まで引き下げ。0.60%利下げと通常0.25%をもととした変更幅ではない。もっとも、下限の政策金利にあたる中銀預金金利は現行3.75%から3.50%の引き下げに留まる見込み。

 ECBの主要金利は、国債などを担保にして民間銀行が中銀から資金供給を受けるために適用されるもの。一方で中銀預金金利は、銀行が余剰資金を中銀に預ける際に利用される金利だ。今回の変更幅の差は、中銀預金金利がマイナスだった頃に広がったギャップを埋めるための調整的な意味合いがあるもよう。ECBがバランスシート縮小を進めるなかで、金融市場の安定性を確保するための施策とも言える。

 追加利下げが確実視されるなか、ポイントは10・12月会合の方向性がどのように示されるかだろう。先週発表された4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値は0.2%増と改定値から0.1ポイント下方修正された。ユーロ圏経済の停滞が懸念されるなか、景気を刺激するために利下げペースを速めることを示唆するのか、声明やラガルド総裁の発言に市場の目が集まる。

想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.1091ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、8月15日安値1.0950ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ