10日の日経平均は6日続落。終値は56円安の36159円。米国株高を受けて3桁高からのスタートとなったが、前場は動きが荒くなった。すぐに失速して下げに転じるも、200円超下げて36000円に接近したところでは踏みとどまって鋭角的に切り返した。一方、そこからプラス転換して上げ幅を広げたものの、300円超上昇して36500円台に乗せたところでは押し戻された。
乱高下しながらも前場を小幅高で終えると、後場は方向感なく、幾分上げては失速するといった動きを繰り返した。プラス圏で推移する時間が長かったが、引け間際の動きが弱く、小幅な下落で終了。大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7800億円。業種別では水産・農林、陸運、倉庫・運輸などが上昇した一方、医薬品、海運、精密機器などが下落した。1Qは減益着地も、自己株取得の発表が好感されたビューティガレージが急伸。半面、3Q決算が市場の期待に届かなかったくら寿司が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり802/値下がり787。半導体株の一角が強く、東京エレクトロンやSCREENが3%を超える上昇。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートHDなど主力グロース株の動きが良かった。JR東海や京成電鉄など鉄道株が軒並み高となっており、西武HDは7.1%高。証券会社の新規カバレッジが入ったパイロットが急伸した。中小型株には跳ねている銘柄が多く、ザインエレクトロニクスがリリースを材料にストップ高まで買い進まれた。
一方、治験結果が失望材料となった第一三共が8.6%安。新製品を発表した米アップル株の反応がさえなかったことから、太陽誘電や村田製作所など電子部品株が大幅安となった。ナスダック高や東京エレクトロンの大幅高を受けてもレーザーテックは下落。通期の利益見通しを引き下げたアピリッツが急落した。
日経平均は6日続落。前場では東京エレクトロンの復活とともに日本株も下げ基調を脱しそうな雰囲気があったが、買いは続かなかった。東京エレクトロンは大幅高で終えており、あす以降の動きにも期待が持てる。一方、日経平均は引け味が悪く、戻り売り圧力の強さが印象付けられた。
あすは日本時間の10時から米国で大統領候補者のトランプ氏とハリス氏によるテレビ討論会が開催予定。現時点では両者接戦との見方が多く、どちらが勝利することがマーケットにプラスかも曖昧な状況。前回、トランプ氏とバイデン氏のテレビ討論会を場中に消化した6月28日は、イベントとしては注目を集めたものの、特に相場を動かす材料にはならなかった。討論で優劣がついたとしても、まずは米国の反応を見極めたい局面で、これを理由に日本株が大きく上がる、下がるといったことにはならないだろう。
ただ、あす11日の米国では8月の消費者物価指数(CPI)が発表されるだけに、こちらを前にしては身構える動きが出てきやすい。CPIが弱ければ、米国の長期金利が低下してドル円は円高(ドル安)に振れると思われる。CPIが強い場合はインフレ長期化に対する警戒から米国株が売られると思われる。市場予想並みで米金利や為替がそれほど動かず、米国株が大きく上昇するというのが理想的だが、その可能性にベットして前のめりになれるほど今の日本株の基調は強くない。テレビ討論会を無難に消化できたとしても、上値は重いと予想する。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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