本日これまでのドル円は欧州タイムに一時143.71円まで上昇するも昨日同様に144円台回復を試す動きには持ち込めず143円前半に押し戻された。
本日も主な米経済指標の発表は予定されておらず、ドル円は米株や米債利回りの動向を睨みつつ明日の8月米消費者物価指数(CPI)待ちとなる。バー米連邦準備理事会(FRB)副議長やボウマンFRB理事の講演が予定されているが、ブラックアウト期間に入っており、金融政策に関する発言は聞かれないだろう。
足もとでは9月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利下げ思惑が後退し、ドル円は底堅い動きとなっているものの、円高圧力が残されているなかドル円は本日も上値の重い動きが見込まれる。7月下旬から8月上旬の円高で円キャリートレードの巻き戻しがかなり進んだが、まだ長期的な円売りポジションの解消は終わってないとの見方が強い。日米金利差が縮んでいくなかで新規に円売りポジションをとる投資家も少なく、ドル円は一段と円高方向への動きが警戒されている。
金融市場にどれぐらいの影響が出るかは不透明だが、本日は米大統領選候補者によるテレビ討論会が予定されている。米大統領選の投票日まであと2カ月を切り、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領の直接対決が注目されている。労働市場や金利、地政学を巡る不確実性で投資家の神経をとがらせている時期にあって、両者の直接対決が米金融市場にとって新たなボラティリティーをもたらす可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、6日の高値144.01円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、8月5日の安値141.70円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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