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【見通し】ロンドン為替見通し=ユーロ圏インフレ率を見極め、当局者発言にも注目

本日のロンドン為替市場でユーロは、ECB(欧州中央銀行)フォーラムから伝わるであろう各国の金融当局者からの発言を確認しながら、6月ユーロ圏のインフレ指標を見極めることになる。
 
 ポルトガルのシントラで昨日から明日まで開催されるECB主催のフォーラムでは、本日複数のパネルディスカッションが行われるもよう。欧州昼頃までには、ECBからデギンドス副総裁やエルダーソンやシュナーベル専務理事が参加予定。ユーロ圏のインフレ動向に対する見解が注目ポイントの1つか。

 日本時間に発表される6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は2.5%と前回から0.1ポイント減速予想。春頃の2.4%には届かないが、インフレの減速基調は確認されそうだ。同コアも前年比2.8%が見込まれており、予想通りであれば4カ月連続の2%台となる。

 ただし、一気にECB追加利下げの機運は高まりそうにない。というのもラガルドECB総裁が昨日、「インフレ率が目標を上回るリスクが過ぎ去ったと確信できる十分なデータを集めるには時間がかかる」と述べていたからだ。次回18日のECB理事会で追加利下げを織り込むには、ヘッドラインが2.4%を割り込むくらいの鈍化が必要かもしれない。

 ただ様々な動きがあったとしても、欧州午後に向けて動きが収束するかもしれない。ECBフォーラムの同じパネルディスカッションに、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長とラガルドECB総裁が参加するからだ。

 ところで、週明けからフランス・リスクへの過度な警戒感が後退している。第1回の仏下院選挙では極右政党「国民連合(RN)」が得票率トップとなったものの、決選投票に向けてはマクロン大統領率いる与党連合と左派連合が手を組むもよう。依然として先行き不透明感は残っているが、政局の大混乱は避けられるとの期待も高まりつつある。6月後半には0.95フランを割り込んだユーロスイスフランは昨日、0.97フラン前半までユーロ買いフラン売り戻しが進んだ。この通貨ペアの動向にも目を向けておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、90・200日移動平均線1.0792ドル
・ユーロスイスフラン、日足一目均衡表・雲の下限0.9748フラン

想定レンジ下限
・ユーロドル、6月26日安値1.0666ドル
・ユーロスイスフラン、7月1日安値0.9643フラン

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ