
昨日は、複数の米金融当局者が今後の政策に関する考えを述べていた。インフレついて多くが進捗状況を評価しながらも、コリンズ米ボストン連銀総裁のように「2%に向けて低下しているかを判断するのは時期尚早」と慎重な姿勢を示していた。利下げについては、ムサレム米セントルイス連銀総裁が「支持するデータが出るまで数四半期かかる可能性」と言及するなど、開始時期の後ずれを示唆する内容が目立つ。
もっとも、市場と当局者の見通しではややギャップがあるもよう。5月米消費者物価指数(CPI)の発表をきっかけに、米長期債利回りは低下基調だ。CMEグループの「フェドウォッチ」では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げ実施を7割近く織り込んでいる。その後、12月にも同じ幅の利下げを見込む向きが多い。今後ギャップが広がればドルの方向性にも影響を与えそうだが、それは明日以降の米経済指標の結果次第となる。
ところでメキシコでは20日、次期大統領のシェインバウム氏が新内閣の一部を公表する。主要閣僚の1つ財務・公債相の留任は決まっており、それ以外の複数の閣僚が明らかにされるようだ。2日の総選挙後に売りが強まったメキシコペソは先週半ばから反発したものの、買い戻しの勢いも一服しつつある。そういったなか、組閣が市場の信頼を高めるものとなるか注目したい。明日発表への思惑で、ペソ相場は神経質な展開となるかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円、14日高値158.26円
・ペソ円、200日移動平均線8.73円
想定レンジ下限
・ドル円、17日安値157.16円
・ペソ円、17日安値8.47円
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ