7日の日経平均は小幅反落。終値は19円安の38683円。まちまちの米国株を受けて3桁下落スタート。すぐに切り返してプラス圏に浮上したが、そこから上は重かった。開始1時間程度は前日終値近辺で一進一退となり、10時以降は下げては戻しといった動きを繰り返した。後場はスタートを高値に一度もプラス圏には浮上できなかったが、終盤に戻して小幅な下落で取引を終えた。大型株がさえない一方で中小型株には資金が向かっており、グロース250指数が1%を超える上昇となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4600億円。業種別では非鉄金属、サービス、化学などが上昇した一方、電気・ガス、輸送用機器、証券・商品先物などが下落した。証券会社が投資判断を引き上げた日東電工が大幅上昇。半面、前日に大きく上げた反動か、アドバンテストが3%近い下落と弱さが目立った。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり954/値下がり633。直近で売り込まれていたレーザーテックがリリースを手がかりに4.9%高。TOWA、リクルート、メルカリなど、グロース系の銘柄の一角に買いが入った。フリーやウェルスナビなどグロース市場の主力銘柄が大幅高。決算が評価されたアインHDが急伸した。
一方、塩野義製薬がR&Dデーの公表資料を材料に12.9%安。三菱UFJと三井住友による保有株売却観測が伝わったトヨタが売りに押された。売買代金上位では、北海道電力やニデックが大きめの下落。直近上場のアストロスケールが厳しい下げとなり、節目の1000円を割り込む場面もあった。立会外分売を発表したヴィスが急落した。
日経平均は小幅安。ECBの利下げは6日の米国市場には大きな影響を及ぼさず、米3指数も小動きで終えたことから、日本株は米5月雇用統計の発表を前に消化試合のような1日となった。幾度が下を試す場面もあったが、大崩れすることなく押したところで買いが入ったことは期待が持てる。ローソク足では陽線を形成し、終値(38683円)では25日線(38603円、7日時点)を上回った。
来週はFOMCと日銀金融政策決定会合が開催されるが、大きな視点では、米国の長期金利の低下基調が継続するかどうかがポイントとなる。今週は米国で弱めの経済指標が多く、米10年債利回りは4.2%台に突入した。ここから4%に向けて低下していくようなら、経済指標などで米国の長期金利が上昇したとしても、株式市場へのネガティブなインパクトが小さくなってくると思われる。来週はFOMC以外にも米国の長期金利を刺激する材料が多い。ECBが利下げを決定しただけに、このタイミングで米国の長期金利が一段と低下すれば、グローバル株式市場でインフレに対する警戒が大きく後退していく展開が期待できる。
【来週の見通し】
堅調か。かなり慌ただしい週になる。FOMCが11日~12日に開催され、日銀金融政策決定会合が13日~14日に開催される。米国ではFOMCの結果発表日の12日に5月消費者物価指数(CPI)の発表があり、翌13日には5月生産者物価指数(PPI)の発表もある。日銀の結果を消化する14日はメジャーSQ日で、落ち着かない日が続くだろう。
FOMCに関しては政策金利の据え置きが濃厚で、出てくる内容自体にサプライズは少ないと思われる。今週、ECBが4年9カ月ぶりとなる利下げに踏み切ったことで、米国も先々では利下げが実施されるとの期待は高まりやすい。日銀会合に関しては、現状維持なら買い反応になるだろう。何か動きがある場合には、事前に観測報道が出てきてある程度織り込みが進むと思われる。週の方向性は日銀会合次第となりそうではあるが、FOMCの波乱の要素が少ない分、プラスで終える可能性の方が高いと考える。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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