31日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は433円高の38487円。後場に動きが変わったが、プライムで値上がり銘柄が1000以上あれば上に値幅が出る方が自然で、前場が異様に重かった。きのうは値上がり銘柄が多い中で500円を超える下落となっており、半導体株に振り回されやすい状況となっている。
米国でも似たような動きが見られる。30日の米国では3指数がそろって下落し、ダウ平均は300ドルを超える下落となった。しかし、S&P500の11セクターでは9セクターが上昇しており、これだけ見ると上昇日かと見間違えるほど。この日の相場をかく乱したのはセールスフォースだったが、最近はエヌビディアに翻弄される日が多くなっている。
指数自体の振れ幅も大きくなっており、落ち着いて行動したい局面だ。日経平均とTOPIXの騰落率に開きがあるかどうか、上に値幅が出た日であれば、値上がり銘柄(業種)も多いかどうかといった点を注意深く見ておく必要がある。
【来週の見通し】
波乱含みか。6月相場に突入し、金曜7日には米6月雇用統計が発表される。その手前の木曜6日にECB理事会が開催されるが、今回は利下げに対する期待が高まっている。利下げが実施され、欧州の長期金利が低下して米国の長期金利も低下する流れになれば、グローバルでリスク選好ムードが高まるだろう。ただ、米国の方はまだ利下げ期待が高まる状況ではない。欧州もECBから出てくるメッセージによっては長期金利がそれほど下がらない可能性もあり、反応は読みづらい。翌週にはFOMC(6/11~12)や日銀会合(6/13~14)が控えている。日米欧の長期金利や為替をにらみながら、金融政策に対する思惑も入り交じり、不安定な動きが続くと予想する
【今週を振り返る】
軟調となった。日経平均は月曜27日は200円を超える上昇、火曜28日は2桁の下落となったが、月曜の米国が休場であったことから、この両日は商いが薄く、方向感に欠けた。水曜29日は一時大幅高となって39100円台に乗せたにもかかわらず、急失速して38500円台まで水準を切り下げ、300円近い下落で終了。センチメントが悪化する中、30日は米国の長期金利が上昇してダウ平均が大きく下げたことを嫌気して、500円を超える下落となった。ただ、この日は一時900円超下げたところから戻しており、値上がり銘柄は多かった。31日は米国の長期金利低下を受けて買い戻しが入り、400円を超える上昇。上げ下げあったが週間では下落した。週間では約158円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、1-3月期法人企業統計、5月新車販売台数、5月軽自動車販売台数(6/3)、 5月マネタリーベース、10年国債入札(6/4)、4月毎月勤労統計(6/5)、30年国債入札(6/6)、4月家計調査、4月景気動向指数(6/7)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国5月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)、米5月ISM製造業景況指数(6/3)、米4月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米4月製造業新規受注(6/4)、米5月ADP雇用統計、米5月ISM非製造業景況指数(6/5)、米4月貿易収支、ECB理事会(ラガルド総裁定例記者会見)(6/6)、中国5月貿易収支、米5月雇用統計などがある
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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