本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁の講演や5月独CPI速報値を見極める展開となる。
5月独CPI速報値は前月比+0.2%、前年比+2.4%と予想されており、4月の前月比+0.5%からは伸び率鈍化、前年比+2.2%からは伸び率上昇が見込まれている。
昨日欧州中央銀行(ECB)が発表した月例調査によると、4月のユーロ圏消費者の今後12カ月間のインフレ期待は2.9%となり、3月の3.0%から低下して、2021年9月以来の低水準となっており、ドイツの5月CPI速報値が予想を上回った場合でも、6月ECB理事会での利下げ開始観測には影響がないと思われる。
ビルロワドガロー仏中銀総裁は、先日「ECBは7月の追加利下げを排除すべきではない。サプライズがなければ、6月の利下げは決定事項」と述べており、本日の講演でも同様の見解が予想される。
レーンECB理事(チーフエコノミスト)は、昨日、ECBは来月に利下げを開始する方向だが、2024年末までは景気抑制的な政策を維持する必要があるとの認識を示した。ビルロワドガロー仏中銀総裁は、6月の利下げの後、7月以降も段階的な利下げを主張していることで、反論に注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0943ドル(3/21高値)
・ユーロ円:171.56円(4/29高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0773ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:169.29円(5/23安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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