◆豪ドル、4月CPIに注目
◆NZドル、RBNZのタカ派姿勢が鮮明に
◆ZAR、南ア総選挙・SARB金融政策と重要イベントが相次ぐ
予想レンジ
豪ドル円 102.00-106.00円
南ア・ランド円 8.30-8.80円
5月27日週の展望
豪ドルは底堅い動きを予想している。今週公表された豪準備銀行(RBA)の理事会議事要旨(5月6-7日開催分)では「インフレリスクが高まっていることを踏まえ、利上げを検討していた」ことが明らかになった。豪政府がその後の14日にインフレ対策として光熱費と家賃の軽減措置を盛り込んだ年次予算案を発表しており、今回の理事会は予算案の発表前に実施されたものであるという点を差し引く必要があるものの、RBAのタカ派姿勢が改めて示された格好だ。
また、議事要旨では金利据え置きを決定した際の検討で「理事会メンバーは過度な(政策金利の)微調整を避けるため、短期的なインフレ動向を注視することが引き続き適切と判断した」とも言及されており、来週29日発表の4月消費者物価指数(CPI)にはさらに注目が集まるだろう。豪CPIは昨年12月(前年比3.4%)までインフレ鈍化傾向が続いていたが、今年の1・2月は3.4%で下げ止まり。3月分は3.5%と若干ながらインフレ再加速の気配も見せており、4月分でもインフレ加速の傾向が示されると豪利下げ期待が一段と後退。豪ドルの買い戻しにつながる可能性がある。
隣国のニュージーランド(NZ)でもNZ準備銀行(RBNZ)のタカ派姿勢が鮮明となった。22日の金融政策決定会合では5.50%での金利据え置きが決定されたが、声明文では2025年の金利見通しが軒並み上方修正されたほか、利下げの開始予想時期も従来の2025年4-6月期から7-9月期へと先延ばしされた。来週はNZから重要な経済指標などの発表は予定されていないが、他の主要中銀と比較してもタカ派姿勢が目立つRBNZの金融政策方針は、中長期的なNZドルの底堅さにつながりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)はイベントへの警戒が必要となる。来週は29日に南アフリカ総選挙、30日に南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会と重要イベントが相次ぐ。総選挙については、与党アフリカ民族会議(ANC)が単独過半数を割り込むことはほぼ確実な情勢となっているが、直近の世論調査によると少数政党と連立を組んでANC主導の政権を樹立できる可能性が高まりつつある。ZAR相場への影響も基本的には限られる見込みだが、選挙結果については注意が必要だろう。
また、SARBは政策金利を現行の8.25%で据え置く見込み。今週発表された4月CPIは前年比5.2%となり、穏やかながらインフレの鈍化傾向が確認されたが、クガニャゴSARB総裁はこれまでも「SARBのインフレ目標(3-6%)中間点に減速するまで政策調整を待つ」との方針を示しており、今回の会合でもインフレ警戒姿勢を緩める可能性は低そうだ。
5月20日週の回顧
豪ドルは週前半こそ方向感の乏しい動きとなっていたが、半ば以降は対ドルを中心にやや上値が重くなった。ZARもプラチナ価格の上昇などを手掛かりに対ドル・対円でともに年初来高値を更新したが、週半ば以降は調整売りに押されて買い一服となった。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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