15日の日経平均は小幅続伸。終値は29円高の38385円。14日の米国株は市場予想を上回る4月生産者物価指数(PPI)を受けても強い上昇となり、ナスダックが史上最高値を更新した。これらを好感して高く始まると、開始直後には上げ幅を400円超に広げた。しかし、38800円台までで買いが一巡し、その後は値を消す展開。前引け(38491円)では38500円を割り込んだ。後場は水準を切り上げて38600円台からスタートしたものの、すぐに上値が重くなり、上げ幅を2桁に縮小。終盤には下げに転じる場面もあり、小幅なプラスで取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0100億円。業種別では精密機器、ゴム製品、電気機器などが上昇した一方、石油・石炭、不動産、陸運などが下落した。今期の大幅最終増益計画が好感された三井化学が後場プラス転換から上げ幅拡大。半面、今期が大幅な最終減益計画となった三菱ケミカルグループが後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり482/値下がり1140と、値下がり銘柄がかなり多かった。1:5の株式分割や自己株取得を発表したソニーGが8%を超える上昇。売買代金は全市場で3位と大きな注目を集めた。ナスダックの史上最高値更新を受けて、ディスコやアドバンテストなど半導体株に資金が向かった。決算発表ラッシュの中、株主還元を強化した銘柄が跳ねており、自己株取得を発表した三越伊勢丹が急騰。初配実施を決定したアトラエがストップ高となり、今期のV字回復見通しや自己株取得を発表した山一電機がストップ高比例配分となった。
一方、今期の見通しが市場の期待に届かなかったニトリHDは、前期末の配当を計画から引き下げたことも嫌気されて16.1%安。前期上振れ着地、今期減益見通しの三井E&Sが買い先行から失速して8%を超える下落となった。サンリオ、カシオ、堀場製作所などが決算を受けて急落。今期が大幅最終減益見通しとなったアバールデータがストップ安となった。
米国では本日、4月の消費者物価指数(CPI)が発表される。先日のPPIの反応のように、結果が市場予想を上回った場合でも、米国の長期金利上昇が抑制されるのであれば、目先で米国株が大崩れする可能性は低い。一方、CPIを受けて米国の長期金利が大きく上昇してしまうと、グロース株から資金が離散するリスクが高まる。来週22日にはエヌビディアの決算発表が予定されているだけに、その手前で米金利の急上昇は避けたいところだ。
きょうの日経平均は続伸したが、場中の動きはさえなかった。外部環境はすこぶる良かっただけに、値下がり銘柄が多かったことは印象が悪い。米国株が強い時に連動できないようだと、そのことが海外投資家目線で日本株を敬遠する要素となる。足元では中国株の動きが良くなっており、そちらに資金がシフトしているのではとの見方もある。
あすに関しては、まずは本日の米CPIが安心感のある内容となるかが重要となる。その上で、日経平均が25日線(38426円、15日時点)を大きく上回ることができるかが注目される。国内の決算発表はきょうで概ね一巡するため、金曜以降は材料難となる。25日線に上値を抑えられた状態で市場エネルギーが低下すると、先々では弱材料に対する売り反応が大きくなる恐れがある。逆に米CPIを無難に消化し、かつ、25日線も突破できれば、同水準がサポートになって場中の動きが良くなるだろう。主力どころで今年出遅れ感が強かったソニーGにも強い上昇が見られただけに、この辺りで日本株の買い安心感が改めて高まる展開に期待したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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