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【見通し】ロンドン為替見通し=ユーロドル、欧州金融当局者の発言を確認 一目・雲にも注目

本日のロンドン為替市場でユーロドルは、複数の欧州金融当局者の発言内容を確認しながら、欧州午後に発表される4月米消費者物価指数(CPI)の結果を待つことになりそうだ。テクニカルポイントでは、昨日上抜けた90日移動平均線(本日は1.0806ドル)、昨日届かなかった日足一目均衡表・雲(上限1.0838ドル、下限1.0829ドル)が注目される。

 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの講演は、フィンランド、エストニア、フランス、そしてアイルランドの中央銀行総裁が予定されている。ECBによる利下げが現実味を帯びてくるなかで、以前はタカ派と見られていたミュラー・エストニア中銀総裁の発言が注目か。

 3月下旬の時点ではミュラー総裁は、6月会合に向けてインフレ傾向の確認が必要と、利下げには慎重と見られる姿勢を示していた。それが4月下旬には、ユーロ圏経済がECBの予測に沿えばと前置きしながらも、6月から年末まで数回の利下げが行われる可能性に言及し、スタンスを変えてきたようにも見える。

 足もとの短期金融市場では、次回6月6日のECB理事会で政策金利の0.25%引き下げがほぼ織り込まれている。その後(7、9、10、12月)に関しては、今のところ9月と12月の利下げを予想する向きが多い。

 ECBが米連邦準備理事会(FRB)に先んじて金利引き下げを進めることが確実視されるなかでも、ユーロドルは底堅い動き。そういったなか、本日の米CPIがドル売りを促す(または、ドル買いに繋がらない)ものとなれば、一目・雲を上抜けて上げ足を速めるかもしれない。

 また、昨日堅調だったポンドドルの動きにも目を向けておきたい。英中銀チーフエコノミストでもあるピルMPC(金融政策委員会)委員は昨日、利下げの可能性について述べたものの、検討開始は夏とした。6月会合の金利引き下げを期待していた向きが、ポンド買い戻しに動いたもよう。

想定レンジ上限
・ユーロドル、4月9日高値1.0885ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の上限1.2707ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、10日安値1.0760ドル
・ポンドドル、21日移動平均線1.2502ドル

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ