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【見通し】ロンドン為替見通し=英雇用データに注目、結果次第では政治的な利下げ圧力も

本日のロンドン為替市場では、序盤に発表される英雇用データを受けたポンドの動きが他の通貨にも影響を与えることになりそうだ。また、英中銀チーフエコノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の講演も相場の動意に繋がるか。

 日本時間15時に英国の4月雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)と1-3月失業率(ILO方式)が発表される。注目ポイントの1つはILO方式の失業率。前回は4.2%と予想より悪化し、今回も改善どころか更に悪い数値が見込まれている。労働市場の弱さが浮き彫りになるようだと、総選挙を控えて支持率回復を目指す与党・保守党から「英中銀に対する利下げ圧力が高まる」との思惑も広がりそうだ。

 英失業率と同時に発表される週平均賃金(除賞与)の伸び率も、英中銀が利下げ開始時期の判断材料としているため要注目。前回は前年比6.0%と昨年秋からの低下基調が継続され、今回も2022年7-9月以来の5%台まで減速するとの一部予想だ。賃金上昇圧力の鈍化が顕著となれば、ハト派に傾きつつあるベイリーBOE総裁にとって追い風となる。

 もし英雇用データで英金利先安観が強まったとしても、その後のピルMPC委員の講演で相場の雰囲気が変わるかもしれず要注意。というのも、同委員は先日もインフレが抑制されたとの確信はまだないとし、一部指標の鈍化に惑わされていけないと警告したからだ。英中銀チーフエコノミストでもあるピル氏が利下げに慎重な姿勢を示せば、金利面でポンド売りは出難くなるか。

 他経済指標では、4月独消費者物価指数(CPI)改定値や独やユーロ圏の5月ZEW景況感指数が発表予定。

想定レンジ上限
・ポンドドル、3日高値1.2634ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.0838ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、21日移動平均線1.2493ドル
・ユーロドル、9日安値1.0724ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ