本日のロンドン為替市場では英国の金融イベントを受けたポンドの動きが中心となりそうだ。日本時間20時に英中銀(BOE)が、政策金利と金融政策委員会(MPC)議事要旨を公表予定。その30分後には、ベイリーBOE総裁が記者会見を行う。
英政策金利は5.25%で据え置きが大方の予想。注目ポイントの1つは、金利決定におけるMPC委員の投票行動。前回はタカ派の2人(ハスケル委員とマン委員)が、それまで主張してきた利上げから据え置きに転じた。他、ディングラ委員のみが0.25%の利下げを訴えていた。
ベイリーBOE総裁は先月、インフレ低下を示す強力な証拠があると述べ、利下げ開始への条件が揃いつつあることを示唆した。一方、中銀チーフエコノミストでもあるピルMPC委員は早期利下げに消極的なようだ。基調インフレ抑制の明確なエビデンスを求めている委員はピル氏だけでなく複数名いるとされ、英MPCの足並みの乱れを指摘するアナリストもいる。
足もとの短期金融市場では、英利下げ開始時期について8月か9月会合かで見方が分かれているが、どちらかというと8月0.25%引き下げを織り込む向きが多い。また、少数派ではあるものの、6月利下げに期待している市場参加者もいるようだ。ベイリーBOE総裁が本日の会見で、政策変更時期についてどのようなガイダンスを示すのかに注目が集まる。
ユーロ圏からは、欧州午後に欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁とチポローネ専務理事がそれぞれ講演予定。「来月6日の次回ECB理事会では利下げ」との思惑が高まるなか、両者のインフレに対する見解が注視される。
想定レンジ上限
・ポンドドル、3日高値1.2634ドル
・ユーロドル、90日移動平均線1.0812ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、4月23日安値1.2332ドル
・ユーロドル、2日安値1.0674ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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