昨日はアジア市場で、一時160.17円と1990年4月以来34年ぶりの高値を付けたものの、日本時間夕刻には154.54円まで急落した。NY市場に入っても政府・日銀による為替介入への警戒感は根強く、一時156.89円付近まで値を戻したあとは155.10円付近まで一転下落した。
本日のドル円相場は上値が限られるか。昨日の動きを見ると、160円台から数円下がった時点で、短期筋のドルロングは切れ、それ以後は介入玉がないとドル円は自律的に反発する相場となった。そして、その反発に合わせて強引に介入玉が、ドルを売る値動きになった。
介入効果の影響で数日から数週間程度は、26日や昨日のような急速なドル円の上昇(円安)は見込めないだろう。しかしながら、日米間の金融政策や景況感の差異が急速に縮小するとも考えられないことで、緩やかなかながらもドル円の上昇を予想する声は多い。また、先週25日にイエレン米財務長官の発言「為替介入は市場が過度のボラティリティで無秩序な、非常にまれかつ例外的な状況(very rare and exceptional circumstances)にのみ行われるべきだ」との言葉にあるように、米国が介入への否定的な見解を示していることで、ドル円を押し下げるような介入を期待する声も少ない。
本日は東京市場が休場明けとなることもあり、仮に昨日のように157円台よりも上にドル買い・円売りに市場が動意づいた場合には、円買い介入を行う確率が高い。ただし、本日はゴールデンウイーク週の月末・5・10日(ゴトー日)ということで、ドル買い・円売り需要が多くなる可能性もあり、下値もそれなりに支えられるだろう。
なお、市場は為替介入に目が集まっているが、本日から明日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われる。先週発表された3月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)とコアデフレーターがともに予想比で上振れたように、多くの米国の3月インフレ指標は予想を上回る結果となった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が急速に後退していることもあり、FOMCに向けてファンダメンタルズに沿ったドル買いを待ち構えている市場参加者が多いことも念頭に置いておきたい。
なお、アジア時間では円相場が主役となるだろうが、豪州から3月小売売上高が発表され、中国からは4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されることで、豪ドルの動きにも注目したい。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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