本日のユーロドルはドイツの4月消費者物価指数(CPI)の結果が焦点になりそうだ。明日発表予定の同月HICPの前哨戦となるが、ユーロ圏経済の約3割を占めているドイツのCPIの結果次第で、明日の指標予想にも変化が生じるかもしれない。特に先週発表された米国の3月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)とコアデフレーターがともに予想比を上振れ、米国の利下げ観測が急速に後退していることで、逆にドイツ経済のインフレ低下が示された場合は、ユーロ売り・ドル買いへの反応が大きくなりそうだ。
4月の独CPIは前年比で、前月よりも小幅に上昇し+2.3%予想となっている。2022年11月までは10%を超えるインフレ率を記録していたが、その後は低下傾向に入り2023年9月には+4.5%まで低下した。今年に入った後もトレンドは変わらず1月+2.9%、2月+2.5%、3月は+2.2%となっている。インフレファイターとして知られる独連銀(ブンデスバンク)だが、ナーゲル独連銀総裁は「6月の利下げを確約する前にデータを確認したい」と述べるなど、CPIの低下傾向が続けば、利下げへの舵取りを切りやすくなりそうだ。
また、ユーロ円の動きにも警戒しなくてはならない。東京午前にはドル円の動きに連れて171.56円まで上昇。2008年に記録した169.96円のこれまでの過去最高値を大幅に更新している。ユーロ円の動きがユーロドル相場に影響を与えることもあることで、引き続き円がらみの動きにも目を配りたい。
・想定レンジ上限
ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0743ドル。その上は200日移動平均線1.0804ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:4月16日安値1.0601ドル。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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