本日のNY市場でのドル円は、アジア市場で一度緊張度が高まった中東情勢に、引き続き注視することになろう。
東京市場ではイスラエルがイランを攻撃したと伝わったことで緊張が一気に高まったが、核施設の攻撃ではなかったほか、イラン高官からの「イランに対するミサイル攻撃はなかった」などが伝わると過度の緊張は一旦落ち着いた。
今のところイラン側からは自制している様子がうかがわれるほか、米当局者の話ではあるがイスラエルはイランの核施設は標的ではないとの話が伝わるなど、地政学リスクへの警戒感がやや後退している。双方、全面戦争は回避したいとの思惑が感じられる中、イスラエルやイランが相手方の核施設攻撃に踏み切るようなことにならなければ、一旦は小康状態に移ることも考えられる。
本日、米国では主だった経済指標の発表が予定されていないほか、要人発言もグールズビー米シカゴ連銀総裁(今年はFOMCの投票権なし)の質疑応答のみとなっており、イベントは少なめである。ドル円については、東京市場での下げ幅を大方戻しているほか、週末ということもあり、イスラエル・イラン双方が自制を保つ場合は154円台で方向感を模索する展開となる可能性がある。とはいえ、予断を許さない状況に変わりはないため、ヘッドラインに反応して再びリスク回避ムードが高まるようなことがあれば、ドル円相場の重しとなる場面もあるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円は16日に付けた年初来高値の154.79円。その上は節目の155.00円。
・想定レンジ下限
ドル円は節目の154.00円。割ると東京市場で付けた本日安値153.59円。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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