11日の日経平均は続落。終値は139円安の39442円。
日経平均は続落。ただ、米国からかなりネガティブな材料が届いた割にはしっかりとした動きを見せた。TOPIXに至ってはプラスで終えている。三菱UFJやトヨタなど、外部環境の変化を追い風にできる業種の主力銘柄に買いが入った。ドル円は153円台まで円安(ドル高)が進んだが、為替介入を警戒させるような動きが見られなかったことも、一定の安心材料となった。
米国の10年債利回りは4.5%台に乗せており、危険水域に入ってきた。本日は3月の生産者物価指数(PPI)が発表される。CPIに比べると注目度は低いが、市場予想を上回るようなら、米国の長期金利を一段と押し上げる材料となり得る。エヌビディアなど米グロース株の動向を注意深く見ておく必要がある。
欧州ではECB理事会が開催される。利下げに対する示唆があれば欧州の長期金利低下が期待でき、欧州の金利が低下すれば、米国の長期金利上昇も抑制される。一方、米国の粘着質なインフレを懸念してECBが利下げに慎重な姿勢を示した場合には、株式への逆風が強まってくる。
米国の長期金利が低下傾向となるためには、(1)FRBが利下げ実施に対する強いメッセージを市場に届ける、(2)米国で景気後退を意識させるような著しく悪い経済指標が相次ぐ、(3)米国株が下げ基調を強めて逆資産効果に対する警戒が強まる、(4)地政学リスクの高まり、大企業の倒産など、現時点では認識されていないリスクの顕在化―などが挙げられる。逆に言えば、こういった状況とならなければ、米国の長期金利は下がりづらい。きょうの東京市場では金利上昇局面で選考されやすいバリュー株の動きが良かった。目先はバリュー優位・グロース劣位の環境が続きそうだ。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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