本日のNY為替市場のドル円は、米国の経済指標や要人発言の予定がないことで、中東の地政学リスクや本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開となる。
米国3月の雇用統計が堅調な労働市場を示したことで、米10年債利回りは4.4%台に上昇し、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始時期は、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで先送りされた。
10日に発表される米3月消費者物価指数(CPI)の伸び率が上昇していた場合は、9月FOMCまでさらに先送りされる可能性が高まり、逆に、伸び率が鈍化していた場合は、6月FOMCでの利下げ開始観測が高まることになる。
また、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺への攻撃を受けて、イランの最高指導者ハメネイ師はイスラエルに対する報復を宣言しており、今週は中東情勢の緊迫化にも警戒しておきたい。
中東の地政学リスクが高まった場合は、米国債買い(=金利低下)による、ドル円の下落要因となるが、原油価格の上昇により、円売り要因ともなる。
さらに、ドル円が152円のノックアウト・オプション方向へ上昇した場合は、防戦売りとの攻防戦が予想され、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。
2022年10月21日(金曜日)にニューヨーク市場で断行されたドル売り・円買い介入は、東京時間23時30分頃に行われた。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、1990年7月6日の高値の152.30円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、4月5日の安値の150.81円。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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