本日のニューヨーク為替市場でドル円は上値を意識した動きか。欧州序盤には、順調な本邦賃上げ率(連合の春闘1回目集計、33年ぶりの平均5%超え)を確認後に下押すも、148円手前からアッサリと切り返した。確かに日銀が金融正常化に踏み出しやすい状況は整ってきている。もっとも今週に入って米長期金利も上昇基調を取り戻しており、日米金利差が一気に縮小する気配はなく、市場は素直にドル買い円売りの流れに回帰しつつある。
ただし、来週前半の日米金融政策を確かめたいという雰囲気も広まっており、NY前半に発表される複数の米経済指標を見定めた後は落ち着いた動きとなるかもしれない。経済指標は、3月NY連銀製造業景気指数や2月鉱工業生産指数、そして3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)などが予定されている。
NY連銀製造業景気指数は市場予想-7.0と前回からやや悪化、4カ月連続のマイナスが見込まれている。1月に-43.7まで落ち込んだところからは持ち直しており、二桁マイナスとなれば印象は悪いが、予想通りであれば相場への影響は限定的か。鉱工業生産は前月比横ばいと前回からは若干改善が予想されている。
米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)は予想76.9と前回と変わらずだが、一部では77超えも見込まれている。もし結果が上振れし、同時に発表される1年先・5年先の期待インフレ率も高止まりとなれば、週末にかけて米債売り(金利上昇)からドル買いで反応するかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円、21日移動平均線149.42円
想定レンジ下限
・ドル円、本日ここまでの安値148.04円
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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