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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、「デフレ脱却宣言」報道の続報に要警戒か

1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が予想を上回ったことで150.72円まで上昇した後、2月米ISM製造業景況指数などが予想を下回ったことで、150.08円付近まで下落した。ユーロドルは1.0798ドルから1.0843ドルまで強含みに推移した。ユーロ円はドル円の失速につれて162.50円台まで下落後、ユーロドルが反発したことで下げ渋る展開となった。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日経平均株価の4万円台乗せの可能性が高いことで底堅い展開が予想されるものの、「デフレ脱却宣言」に関する報道の続報には警戒しておきたい。

 先週のドル円は、ハト派の高田日銀審議委員のややタカ派的な発言を受けて、149円台まで下落したものの、植田日銀総裁のハト派発言を受けて150円台を回復した。

 一方2日の報道では、政府が物価の上昇傾向を受け「デフレ脱却」を表明する検討に入ったことが報じられている。政府は日本経済がデフレにあるとの見解を2001年3月の月例経済報告に併せて公表した資料で「緩やかなデフレにある」と示していたが、デフレ脱却を表明すれば、23年間にわたり安定成長を妨げてきた足枷が外れたと認めることになる。

 植田日銀総裁は、1月23日の日銀金融政策決定会合後の記者会見では、物価見通し実現の『確度』は引き続き高まっていると指摘して、金融政策の正常化に前向きな姿勢を示した。

 2月22日、植田日銀総裁は衆議院予算委員会に出席し、「消費者物価は去年までと同じような右上がりの動きが続くと予想している。そういう意味でデフレではなく、インフレの状態にあると考えている」と述べた。そして、「労働需給が引き締まるもとで、企業の賃金設定行動も従来より積極的な動きが見られている。こうした動きが続くもとで雇用賃金が増加する中で物価も緩やかに上昇する好循環が強まっていく」と述べた。

 2月29日、植田日銀総裁はブラジル・サンパウロで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で、2%の物価目標の持続的・安定的実現について、現時点で達成が見通せる状況ではないとの認識を示した。そして、「物価目標達成が見通せるという確認のためには、賃金と物価の好循環がうまく回りだしているかどうか、強まりつつあるかどうかということを確認していく作業を続けるということだと思う」と述べた。

 植田日銀総裁は、日銀審議委員として、2000年8月11日の金融政策決定会合で、ゼロ金利政策の解除が決定された時に、時期尚早として反対票を投じていた。
 当時の拙速なゼロ金利解除のトラウマが、植田日銀総裁を慎重にさせている要因なのかもしれない。

 先週末に発表された2月米ISM製造業景況指数は47.8となり、1月の1年3カ月ぶりの高水準49.1から低下し、実質国内総生産(GDP)に換算すると年率-1.5%となった。
 雇用指数は45.9へ低下し、昨年7月以来の低水準となり、今週末発表される米国2月の雇用統計への警戒感を高めた。価格指数は、52.5へ低下し、コスト上昇ペースの鈍化を示唆した。


(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ