◆ドル円、パウエルFRB議長の議会証言と米2月雇用統計に注目
◆本邦通貨当局による介入の可能性や東京都区部2月CPIに注意
◆ユーロドル、ECB理事会で利下げ時期を見極め
予想レンジ
ドル円 147.00-151.50円
ユーロドル 1.0600-1.1000ドル
3月4日週の展望
ドル円は、パウエルFRB議長の議会証言や米2月雇用統計で、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ開始時期を見極める展開となる。
パウエルFRB議長の半年次の議会証言(6日下院、7日上院)では、9日からのブラックアウト期間入り直前であるため、19-20日のFOMCでの金融政策決定の方向付けが行われることになりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月PCEデフレーターが前年比2.4%まで伸び率が鈍化していることで、利下げ開始時期への言及に注目したい。なお、1月CPIが3.1%と強かった要因としては今週、CPIの最大構成要素である一戸建て住宅と集合住宅の加重手法の調整によるものだったことが判明している。
また、米2月雇用統計の予想は、失業率は3.7%で1月と変わらずだが、非農業部門雇用者数が前月比18.0万人の増加で1月の35.3万人の大幅増加からの減少が見込まれている。
日本では、2月全国コアCPIの先行指標となる2月東京都区部のコアCPIに注目。1月の全国コアCPIは前年比2.0%だったが、2月は昨年2月以来、物価の押し下げ要因となっていた政府の電気・ガス代負担軽減策の影響が一巡することから、2%台後半になると予想されている。市場では、植田日銀総裁や高田日銀審議委員の発言を受けて、18-19日の日銀金融政策決定会合での金融政策正常化の可能性がやや高まっており、結果次第では動意付く可能性が高い。
現状のドル円は、151円台を窺うドル高・円安トレンドを形成中だが、「ダブル・トップ(151.95円・151.91円)」に続く「トリプル・トップ」になるのか、それとも続伸するのかの分岐点に差し掛かっている。2022年高値151.95円の後は、本邦通貨当局による円買い介入で127円台まで反落した。昨年高値151.91円の後は、植田日銀総裁のチャレンジング発言により140円台まで反落した。ドル円が151円台に乗せた場合は、円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会での政策金利の据え置きが確実視されており、注目ポイントは、利下げ開始時期が1-3月の賃金データが発表された後の4月11日理事会となるのか、それとも6月6日の理事会となのかを見極めることになる。
2月26日週の回顧
ドル円は、米10年債利回りが4.31%台へ上昇した局面で150.85円まで上昇したものの、ハト派の高田日銀審議委員が「2%物価目標実現がようやく見通せる状況になってきた。機動的かつ柔軟な対応に向けた検討も必要だ」とややタカ派的な見解を示したほか、米1月PCEデフレーターが2.4%まで伸び率が鈍化したことから149.21円まで反落した。ユーロドルは米長期金利の上昇で1.0866ドルから1.0796ドルまで下落。ユーロ円は163.72円から161.69円まで下落。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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