
◆ドル円、151円台での本邦通貨当局の出方に警戒
◆ユーロドル、2月製造業・サービス業PMI速報値やECB理事会議事要旨に注意
予想レンジ
ドル円 147.00-152.00円
ユーロドル 1.0500-1.0900ドル
2月19日週の展望
ドル円は、1月30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨により、利下げ開始の時期や条件などを見極めることになる。声明文では、「物価上昇率が目標の2%へ持続的に向かっているとの確信(confidence)がより強まるまで、利下げは適切ではない」と言及され、パウエルFRB議長も5月以降の利下げ開始を示唆した。また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」でも、5月FOMCでのFF金利誘導目標の据え置き確率が高まっている。
チャート上では、中期的な「ダブル・トップ(151.95円・151.91円)」を形成しているが、現状は3度目となる151円台を窺うドル高・円安トレンドを形成している。2022年の高値151.95円を付けた後は、本邦通貨当局による大規模なドル売り・円買い介入により、127円台まで反落した。昨年高値の151.91円の後は、植田日銀総裁の「チャレンジング」発言により、140円台まで反落した。
今週は、150円台に乗せた局面では、鈴木財務相が「基本的には急激な変動は望ましくない、安定的に推移すべきだという観点から、緊張感を持って市場動向を見ていきたい」と発言したほか、神田財務官は「為替の動きはかなり急速、必要なら最も適切な対応取る」などの見解を表明。円安を牽制する発言が聞かれており、151円台に乗せた場合の本邦通貨当局の対応には警戒しておきたい。経済指標では、1月の米景気先行指数や1月の日本の貿易収支に注目。また、イエレン米財務長官が懸念を表明していた米地銀の経営破綻による金融不安が再燃する可能性にも、引き続き注意が必要だろう。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ開始観測が高まりつつあり、2月の製造業・サービス業PMI速報値を見極めながら、1月25日のECB理事会議事要旨で利下げ開始時期を探る展開となる。また、ドイツ経済がリセッション(景気後退)に陥る懸念が高まる中、独2月のIfo景況感指数にも注意している。
2月12日週の回顧
ドル円は、米1月CPIが予想を上回る前年比3.1%だったことで、148.93円から150.89円まで上昇したものの、低調な1月米小売売上高を受けて伸び悩んだ。5月FOMCではFF金利が5.25-50%に据え置かれる確率が高まり、米10年債利回りは一時4.33%まで上昇した。日本の10-12月期実質GDP速報値が2四半期連続のマイナス成長となり、日銀の政策修正期待が後退したことも円売り要因となった。
ユーロドルは1.0806ドルから1.0695ドルまで下落したが、その後は1.07ドル台後半まで買戻されている。ユーロ円は160.38円から一時161.65円まで上昇した。(了)
(越後)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ