◆ポンド、予想比下振れの英CPIで早期利下げ思惑が再燃
◆ポンド、2月製造業・サービス部門PMIに注目
◆加ドル、1月CPI次第で4月利下げ観測が後退の可能性
予想レンジ
ポンド円 186.00-191.00円
加ドル円 109.50-112.50円
2月19日週の展望
今週の英10-12月賃金(除賞与)は前年比6.2%と予想を上回るも、約1年ぶりの低水準となった。1月消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%と前月から横ばいとなり、物価上昇圧力は市場やイングランド銀行(英中銀、BOE)が懸念したほど強まらなかった。インフレ率は今後さらに低下すると見込まれていることもあり、市場では5月か6月に利下げを開始するとの思惑が高まった。ただ、労働市場は依然としてインフレ率にとっての圧力となっており、利下げ時期をめぐり経済データに一喜一憂する相場展開が続くと見込まれる。
また、10-12月期GDPは前期比-0.3%と予想以上のマイナスとなったが、ベイリーBOE総裁は今週、「英経済が浅いリセッション(景気後退)に入ったとしても今年に入って好転の兆しが見られている」と深刻視しない姿勢を示している。来週は2月製造業・サービス部門PMI速報値の発表が予定されており、今年の景気が上向くと見込むBOEの判断を後押しする内容になるかどうかに注目。さえない結果となれば早期利下げの圧力が強まりそうだ。
加ドルは、20日発表予定の1月CPIに注目。加ドルもほかの主要通貨と同じく利下げ時期をめぐり経済データを確認しながら右往左往する相場展開だが、緊密な同盟国である隣国の米国では1月米CPIの結果を受けて早期利下げ思惑は一段と後退している。カナダ中銀(BOC)は昨年7月会合での利上げが最後と、主要国では一番早く利上げサイクルの終了に向かった。そのため、市場では利下げも一番手になるとの思惑が強く、4月会合での利下げを織り込みつつある。米加金利差拡大の圧力が加ドルの重しとなっているが、CPIが1月雇用データに続いて強い結果となれば、利下げ時期をめぐる思惑は年央または第3四半期に先延ばしされる可能性がある。
9日に発表された加雇用データでは、雇用者数が3.73万人増と市場予想を大きく上回り、失業率は市場予想に反して5.7%に改善された。賃金の伸びは前年比+5.3%とやや鈍化するも好調を維持しており、労働市場の強靭さが改めて示された。BOCは利下げ開始を求めるプレッシャーを受けているが、雇用データを踏まえると政策金利を今後も据え置く可能性が高い。なお、フリーランド加財務相は今週、3月か4月に議会提出が見込まれる次期予算案の編成に関し、「利下げができる経済環境への整備を予算案編成の柱とする」考えを強調した。
2月12日週の回顧
予想比上振れの1月米CPIを受けた米早期利下げ観測の後退を背景としたドル高の流れが継続。ポンドドルは1月英CPIが予想を下回ったことも重しに1.25ドル前半まで弱含み。ポンド円はドル円の上昇や10-12月英賃金の上昇を手がかりに2015年8月以来の190円台を回復したが188円近辺まで失速した。加ドルは1月加雇用データが好調な結果になったことも支えに底堅い動きも、全般ドル買いが優勢となるなかドル/加ドルは1.35加ドル後半までやや加ドル売りが進み、加ドル円は111円台前半で伸び悩んだ。(了)
(越後)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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