
東証プライムの売買代金は概算で4兆3200億円。業種別では銀行、保険、パルプ・紙などが上昇した一方、不動産、精密機器、建設などが下落した。株主優待新設などを発表して買いを集め、3営業日ぶりに取引時間中に値が付いた日本エコシステムが、きょうもストップ高で終えて77.4%高。半面、米住宅大手企業が決算を受けて急落したことを受けて、住友林業が警戒売りに押された。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり469/値下がり1148。銀行株買いが盛り上がり、三菱UFJが5%を超える上昇。売買代金はレーザーテックに次ぐ2位となり、昨年来高値を更新した。三井住友、みずほも4%台の上昇となり、第一生命やかんぽ生命など保険株にも資金が向かった。軟調相場の中でも半導体関連の一角は強く、ソシオネクストやSCREENが大幅高。上方修正を発表したGenkyやイオン九州が急伸した。
一方、三井不動産、三菱地所、住友不動産など不動産株が軒並み大幅安。ダイキン、ファーストリテイリング、レーザーテックなど値がさ株が弱かった。日銀総裁会見を受けてドル円は円高気味に推移したことから、トヨタやマツダなど自動車株が全般軟調。トリドール、ゼンショー、鳥貴族など外食株に大きく売られる銘柄が散見された。下方修正を発表した不二製油Gが2桁の下落率となった。
日経平均は大幅安。ブルの流れが変わったようでもあるし、植田総裁会見が利食い売りを入れるちょうど良い材料にされたようでもある。弱いながらも終値(36226円)では5日線(36144円、24日時点)を上回った。同水準が意識されて下げ渋ったようにも見えるだけに、あす反転できるようなら上昇基調が継続する公算が大きい。
一方、日本だけでなく、欧米で長期金利上昇に対する警戒が強まってしまうようだと、株式市場には逆風となる。あす25日に欧州ではECB理事会が開催され、来週の30日~31日には米国でFOMCが開催される。市場は利下げがいつになるかの手がかりを求めているが、その点に対するメッセージが少ないようだと、金融引き締め長期化懸念から欧米の長期金利が上昇する展開は想定される。何はともあれ、きょうのように金融株しか買えないようだと手詰まり感が出てくるだけに、あすは多くの銘柄に押し目を拾う動きが見られるかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ